岡本真夜が明かす、中山美穂さんとの交友秘話「トラブルのときも優しく寄り添ってくれた」

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2025年03月22日 18:10  週刊女性PRIME

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岡本真夜さん 撮影/山田智絵

 今年、デビューから30年を迎えるシンガー・ソングライターの岡本真夜さん。

『TOMORROW』『Alone』など平成の大ヒット曲は、永遠の名曲として令和の今も歌い継がれている。

 5月10日には「岡本真夜 30周年 ANNIVERSARY Live」が都内で開催されるが、全国ツアーも予定。アルバムのための新曲づくりにも励んでいる。

「デビュー時は30年残れるアーティストになりたいというのが目標だったので、5月10日に夢が叶(かな)いましたと言えるのが楽しみです」と岡本さんは感慨深げに語る。

中山美穂さんのパリの自宅に招かれて

 今年は30周年で忙しくなることがわかっていたので、昨年は充電期間として音楽活動以外のことをするほうが多かった。中でも特に印象深かったのがパリへの一人旅だった。

「パリは学生時代から憧れていた街で、デビュー直後にジャケット撮影で訪れて以来、何度も通っています」

 日本で街を歩いていて周りから「岡本真夜だ」と気づかれるのが苦手だという。パリでは声をかけられることもなく、美しい街並みをのびのびと歩けるのも気に入っている。

「観光地を巡るのではなく、アパートメントを借りて、普通に暮らしている感じで、カフェに行ったりして1週間ほど過ごしました。パリに友達もいますし、リフレッシュできました」

 岡本さんのパリでの思い出といえば、昨年亡くなった中山美穂さんとの交流もあげられる。中山さんが主演するドラマの主題歌『未来へのプレゼント』の楽曲提供がきっかけで親交が深まり、プライベートで会うこともあったという。

「この楽曲はメロディーが締め切り前日まで浮かばずドキドキしましたが、ようやく完成して、初めて美穂さんにお会いしました。

 そこで美穂さんが書いてくださった歌詞をいただいて、メロディーと照らし合わせて仕上げたのです。私はコーラスにも参加し、共作できて幸せでした」


 その後、仕事でロスに行った際、寿司店でばったり中山さんと出会い、連絡先を交換したという。

「私の楽曲がトラブルに巻き込まれて、いろいろ報道されているときに、『ごはんに行かない?』と誘ってくださって。お会いしてもトラブルの話はまったく聞かれず、ただ楽しませてくださって、本当に優しい方だと思いました」

 中山さんがパリに住んでいたときは、自宅に招かれたこともあった。

「美穂さんがごはんを用意してくださって、ワインを飲んで楽しい時間を過ごしました。ご自宅にピアノがあったので、私の伴奏で美穂さんが歌ってくださって。とても大切な思い出になりました」

 中山さんは昨年のライブで『未来へのプレゼント』を歌っていたが、その姿を見ることはもうできない。

「そろそろまたお会いしたいなと思っていたところだったので、ショックが大きくて……」

 これまでも自身のライブでこの曲を歌ってきた岡本さんだが、

「これからは美穂さんと一緒に歌っている気持ちで歌い続けたいですね」

 と追悼した。

世代を超えて歌われる『TOMORROW』

 今年1月、岡本さんの代表曲『TOMORROW』があらためて話題となった。関西電力送配電による、阪神・淡路大震災から30年を振り返るテレビCMが流れ、この曲がBGMとしてカバーされていたのだ。

「若い人がカバーしているのを聴くと不思議な感じとうれしい気持ちでいっぱいになります」

「涙の数だけ強くなれるよ」というフレーズから始まるこの曲は、年代を問わず、多くの人を励ましてきた。この歌詞は、育ての親の祖父から岡本さんに届いた手紙がインスピレーションとなっている。

「私は歌手としてデビューするため、家出同然で東京に出てきました。

 手紙には『やるからには頑張りなさい』『涙が多いのが人生だよ』と書かれていて、苦労が多かった祖父の言葉が胸に響いたのです」

 一方で、岡本さんは「セットリストから外したい時期も数年ありました」と打ち明ける。

「私はもともとバラードを歌いたくて、シンガー・ソングライターを目指しました。

『TOMORROW』もミディアムバラードとして制作したのですが、プロデューサーの希望でアレンジがガラリと変わり、それが大ヒットしたことに複雑な気持ちがあったのです。

 でもライブで『TOMORROW』を歌わないと、お客さんはやはりがっかりされます。他の曲も聴いてほしい、認めてほしいと思ったこともありました」

 しかし、15周年、20周年と年月を重ねることで、その思いは変化していった。

「この曲を聴いた方たちからたくさんの感謝のメッセージをいただくので、その人たちのためにも毎回歌い続けなければと迷いがふっきれたのです」

 最近はコンサートに親子で来場するファンもおり、世代を超えて楽曲が受け継がれている実感も大きい。

「2000年以降はマイペースにリリースしてきましたが、楽曲制作はいつの間にか習慣みたいになっていて、ストック曲がたくさんあるのです。

 曲は頭の中にパッと浮かんだものを形にし、歌詞は友達との会話や日常生活の中から生まれることが多いですね。30周年を機に少しずつ出しながら、そして新たに浮かんだものもまぜながら、新曲をお届けできればいいなと思っています」


 近年は尾崎亜美さん、澤田知可子さん、中西圭三さんなど、先輩アーティストとの共演コンサートも多い。

「ふだんはカバー曲をほとんど歌わないのですが、共演の際には中島みゆきさんや米米CLUBの曲なども歌っています。本番のときはステージの袖で勉強させていただく気持ちで、憧れの先輩との共演を楽しんでいます」

音楽活動の合間に意外な才能も発揮

 これまで30年残れることを目標として意識してきたため、「その先が見えていなかった」という岡本さん。しかし、ファンや支えてくれるスタッフのためにも「これからも活躍できるよう、自分も精進しなければ」と決意を新たにしたところだ。

 一方、岡本さんは20年以上前から音楽活動の合間に雑貨作りを続けている。バッグやポーチなど、かわいらしさに定評があり、プロ並みの作品で、数年に一度は販売も行ってきた。

「最近は自分が撮った写真をデザインに使って、オリジナルの生地を作りました。生地から作ると費用がかかりますが、昔よりもコストが低くなっていたので、チャレンジし、長年の夢が叶いました。

 その生地でいろんな雑貨を作って、5月のライブ会場での販売も検討しています」

 ほかにもカメラや旅行など趣味が多く、それぞれの活動が楽曲制作の糧にもなっている岡本さん。

 30年という節目を迎え、歌に真摯に向き合う姿勢は変わらず、新たなステージへと歩みを進めている。

「自分の歌で誰かの役に立てるのが一番うれしいという気持ちは、デビュー時からずっと変わらずあります。ライブでは歌いたい曲が多すぎて、選曲に悩んでいますが、皆さんの心に残るステージにしますので、楽しみに待っていてください」

取材・文/紀和 静 撮影/山田智絵 撮影協力/銀座 飛雁閣

おかもと・まよ 1974年生まれ、高知県出身。1995年にデビューシングル『TOMORROW』で200万枚のセールスを記録。3rdシングル『Alone』は初のバラードとしてロングセラーに。『そのままの君でいて』『サヨナラ』『ハピハピバースディ』『アララの呪文』などCMソング、アニメ、ドラマ、映画の主題歌など次々にヒット曲を連発。楽曲提供も多数手がけ、ソングライターとしても活躍。2016年にはmayo名義でピアニストとしてもデビュー。今年5月に都内で「岡本真夜 30周年 ANNIVERSARY Live」を開催。

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