【角田裕毅F1第2戦展望】迫る上位勢にプレッシャーを感じながらも、抑え切りスプリント入賞。欧州メディアは動向に関心

0

2025年03月23日 07:00  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2025年F1第2戦中国GP予選 角田裕毅(レーシングブルズ)
 2025年F1第2戦中国GPのスプリントで6位に入賞し、その後行われた予選で9番手となった角田裕毅(レーシング・ブルズ)のミックスゾーンでの取材で、ヨーロッパのメディアと角田の間で、こんなやりとりが行われた。

──レッドブルでリアム・ローソンが苦しんでいますが、そのシートに空きが出れば乗る意思はありますか?

角田:「もちろん(乗ります)」

──日本GPからでも?

角田:「はい。向こう(レッドブル)のクルマの方が速いですから」

 この直後、レーシングブルズの広報が取材を切り上げ、これ以上レッドブルのシートに関するコメントを角田が発することはなかったが、それほどまでにヨーロッパのメディアは角田の動向が気になっているようだ。

 それもこの日の角田の走りを見れば、うなずける。8番グリッドからスタートしたスプリントでは、角田はスタート直後の6コーナーでミスを犯したランド・ノリス(マクラーレン)と、その直後に失速したアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を抜き去り、6番手に浮上。その後、アントネッリにDRS圏内に迫られるものの、落ち着いた走りで順位を譲ることなくチェッカーフラッグを受けた。

「終盤はタイヤのデグラデーションがかなりひどく、アントネッリの後方からはランドが迫ってくるのが見えていたのでプレッシャーを感じていましたが、なんとか耐えることができました」

 角田はそう言って、スプリントでの自己最高位タイとなる6位を喜んだ。

 スプリントを終えてから予選までの間、角田は「スプリントで気になっていた」部分のセットアップを変更。Q1を3番手、Q2も5番手で通過。2戦連続Q3に進出した。

 一方で、レッドブルのローソンは開幕戦オーストラリアGPに続いてQ1で敗退。しかも今回は最下位となる20番手だった。ローソンにかえて、角田を起用すべきとヨーロッパのメディアが考えるのも当然だった。

 ただし、次の日本GPから交代する可能性は低い。なぜなら、ローソンはオーストラリアと中国を走るのは初めてだったからだ。これに対して、3戦目の日本GPの舞台となる鈴鹿は、2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権で走ったことがあるだけでなく、F1でもダニエル・リカルドの代役として2023年にアルファタウリのマシンでレースをし、11位でフィニッシュした経験がある。レッドブルの首脳陣としては、日本GPの走りを見てからローソンの評価を下すと考えられる。

 ただし、そんな角田の前に、もうひとりのライバルが現れようとしている。チームメイトのアイザック・ハジャーだ。この日の予選でハジャーはQ2から角田を上回り、予選7番手を獲得。これは今シーズンこれまでのところルーキーの予選最高位でもある。

 日曜日のレースでも、レッドブルドライバー3人の目に見えない戦いが繰り広げられることだろう。

[オートスポーツweb 2025年03月23日]

    ニュース設定