『ミッキー17』ポン・ジュノ監督から重要キャラを託された3人の女優に迫る

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2025年03月23日 13:01  cinemacafe.net

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『ミッキー17』  © 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
ポン・ジュノ監督のアカデミー賞受賞後初となる最新作にして集大成『ミッキー17』は、半地下を超えた“どん底”の使い捨てワーカー“ミッキー”による、権力者たちへの逆襲エンターテインメント。今回は、ロバート・パティンソン演じるミッキーとそれぞれの形で向き合うことになる、3人の女性キャラクターと演じる女優にフォーカス、監督のコメントも到着した。

ロバート・パティンソンが演じるミッキーは、死んでは生き返る“使い捨てワーカー”だ。彼が手に入れたのは、何度でも生まれ変われる夢の仕事、のはずが…それは身勝手な権力者たちの過酷すぎる業務命令で次々と死んでは生き返る任務、まさに究極の“死にゲー”だった!

ブラック企業の“使い捨て”ワーカーとなってしまったミッキーには、地獄のような日々が待っていた。ブラック企業のどん底で搾取され続けて17号となったミッキーの前に、ある日、手違いで自分のコピーである18号が現れ、事態は一変する――。

ポン・ジュノ監督が物語の鍵を握る重要なキャラクターを託した3人の女優とは、イギリス出身のナオミ・アッキー、フランスで活躍するアナマリア・バルトロメイ、オーストラリア出身のトニ・コレット。

まず、映画デビュー作『マクベス夫人』(フローレンス・ピュー主演/2016)でアンナを演じたナオミ・アッキーは、英国インディペンデント映画賞の最優秀新人賞と最優秀助演女優賞にノミネート。2019年の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で、レジスタンスの戦士ジャナを演じその名を世界に轟かせた。続く『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』(2022)で主役にも抜擢された。

監督が「俳優として爆発的なエネルギーを持っています」と讃えるナオミ・アッキーが演じているのは、エリート・エージェントのナーシャだ。人生ダメダメのミッキーが最も信頼する女性で、人を見かけで判断することがないニュートラルな存在だ。

初めて会った日からミッキーと意気投合したナーシャは、まさにミッキーにとって”ソウルメイト”と呼べる存在。ナオミ・アッキーは「彼女はよく悪態をつくのですが、それは私たちに共通しています」と微笑む。監督は「伝統的な男女関係とは正反対です。ナーシャは実際にはより強力で、よりカリスマ的で勇敢なキャラクター」だと解説している。

大の仲良しとなったミッキーとナーシャの間に割って入ろうとするエージェント、カイを演じているのはアナマリア・バルトロメイ。2021年、ポン・ジュノ監督が審査委員長を務めた第78回ヴェネチア国際映画祭で、審査員満票で最高賞《金獅子賞》に輝いた『あのこと』(2021)に主演した彼女は、予期せぬ妊娠に直面した女子学生を痛切な表情と寡黙な振る舞いで体現した。

静謐でありながらエモーショナルな彼女の演技に心を奪われたポン・ジュノ監督は、迷うことなくカイ役にアナマリア・バルトロメイを起用したのだろう。

重要な役を託されたアナマリア・バルトロメイは、「監督が本当に求めていたのは、カイが何者で、どこから来たのか、どんな意図があるのか分からないような、非常に謎めいた女性でした。そして、彼女は状況を少し混乱させます。彼女は非常に現実的な人物で、役に立ちたいと思っており、頼まれたことはやるが、同時に自分の利益も追求する人物だと思います」とキャラクターを説明。

「彼女は、自分に降りかかる出来事に打ちのめされることなく、常に立ち上がって前進する女性で、かなり決意のある人物なのです」というカイというキャラクターを演じきり、英語作品デビューを飾った。

そして、マーク・ラファロが演じるブラック企業のトップ、マーシャルと共にミッキーに過酷な任務を押しつける極悪妻イルファを演じるのが、オーストラリア出身のトニ・コレットだ。

P.J.ホーガン監督作『ミュリエルの結婚』(1994)に主演しゴールデングローブ賞にノミネート、『シックス・センス』(1999)の演技でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた彼女は、当時A24史上最高の興行収入を記録し「コレットの一世一代の演技は一晩寝たくらいでは忘れ去ることができないほどの刺激に満ちあふれている」(Rolling Stone)と言わしめた『ヘレディタリー/継承』(2018)で、伝説となる“驚愕の表情”を披露し映画ファンの度肝を抜いた。

トニ・コレットは、本作の撮影時のこぼれ話として、「マーク・ラファロがどれだけ素晴らしい才能を持っているかはみんな知っていますが、彼がどれだけ面白いかは知りませんでした。彼はとても面白いです。私は文字通り毎日、笑い転げていました」と、共に強欲な権力者を演じたマーク・ラファロとの共演をふり返っている。

彼女との仕事を切望していたポン・ジュノ監督は、ブラック企業トップの「夫婦の間には物語を動かすもう一つの小さな原動力となる特別な力関係があります」とマーク・ラファロとトニ・コレットの演技に全幅の信頼を寄せており、本作『ミッキー17』でもトニ・コレットの表情が忘れられなくなる場面が登場する。

『ミッキー17』は3月28日(金)より全国にて公開。4D/Dolby Cinema(R)/ScreenX/IMAX(R)同時公開





(シネマカフェ編集部)

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