「なぜ、ディーラー車検は高いのか」元営業マンが暴露。“頼んではいけない”整備オプションも

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2025年03月23日 16:01  日刊SPA!

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※写真はイメージです。
日本国内において、公道で車を走らせるためには定期的に車検を受ける必要があります。普通乗用車なら新車を買ったら3年後に、それ以降は2年に1回は車検を受けないといけません。
車検を頼むとき、多くの人は車を買ったディーラーにお願いしますが、インターネットなどでは「ディーラー車検は高い」という言葉を目にします。

なぜディーラー車検は高いのか、ディーラーでも車検を安くする方法はないのか、元ディーラー営業マンが解説します。

◆整備におけるディーラーの考え方は「壊れる前に直す(交換する)」

簡単にいうと、車検が定める基準をクリアしてしまえばその場はしのげます。ただ、車検に通しただけだと車検後の2年間に何かトラブルが起こってしまう可能性が高くなり、安心したカーライフを送ることは難しくなるでしょう。

ディーラーでは、そのようなトラブルの種を未然に防ぐため、車の経過年数や走行距離から勘案して「予防的な整備」を行うようにしています。

車が壊れたら修理をすればいい、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ディーラーは「壊れる前に直す(交換する)」ことで顧客の安心感を高めています。ですので、車検に必要な整備はもちろんですが、年数や走行距離で交換した方が良い部品をおすすめしたうえで作業をする傾向があります。

◆ディーラー車検が高い理由は時間単価にある

ディーラーと街中の自動車整備工場とを比較すると、同じ車検をやっているのに費用が異なる場合があります。よく「ディーラー車検は高い」と言われる理由は前述の予防的な整備に加えて「基本料金が高い」というのも理由にあります。

街中の自動車整備工場や車検専門店は、比較的「薄利多売」というビジネスモデルで営業しており、基本費用や工賃の時間単価を抑えて数をこなす傾向にあります。

一方、ディーラーはメーカーの看板を掲げて商売をしている手前、1台の車にかける時間が長くなり、利益を出すために時間単価を高く設定しがちです。例えば、整備の時間単価が8000円と6000円だったら、それだけで30%も単価が変わってしまいます。同じ整備で部品代が同じでも工賃が変わってしまうのはそのためとも言えるでしょう。

◆ディーラー車検を安くするためには?元営業マンが解説!

そうはいってもディーラーの方が信頼できるから高くてもディーラーに車検を頼む、という人も少なくありません。ディーラーに車検を頼み、かつ費用を抑えるために必要なポイントを紹介します。

まず、「車検前に必ず見積をとる」ということ。見積から不要な作業を省くことが可能な場合もあります。筆者が勤めていたディーラーでは「下回り洗浄」が見積に必ず入っていました。車検整備前などに下回りの汚れを高圧洗浄できれいにするというメニューでしたが、これだけで1万円近い費用が計上されていました。

これは車検に必須の作業ではないうえに、自分でコイン洗車場などでしてから車検に持ち込めば大幅な費用カットが見込めます。

次に「車に必要な整備を見極める」ということ。事前に見積をとった際に「おすすめ」と呼ばれる作業内容のうち、本当に必要なものとそうでないものに分けます。例えば「修理をしないと車検に通らない」ものや、車検時にしか交換することのない「ブレーキフルードや冷却水」は必要です。

一方で必要のないものは「バッテリーやタイヤなど、いま交換しなくても車を乗り続けられる可能性の高い部品」や「添加剤などのケミカル商品」です。これらは見積担当のメカニックまたは受付のフロントとよく話して聞いた上で判断しましょう。ただし、車検に関係ない部分でも車にとって必要と判断される整備であれば受けたほうがいいでしょう。

また、車検整備を実際にしてもらっているときに連絡を密にとって都度判断する、というのも費用を抑えるためには有効な手段ですが、場合によっては部品の手配などで車検にかかる時間が長くなってしまう可能性もありますのでケースバイケースです。

<文/宇野源一>

【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801

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