優秀な営業マンの裏切り行為に愕然…ライバル企業に情報を洩らし、顧客も流出。難しい「同業他社への転職」の制限

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2025年03月24日 09:01  日刊SPA!

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給与形態が年功序列である企業は、いまだに数多く存在する。ゆえに、腕に自信のあるビジネスパーソンが、より良い条件を提示する新天地に移るのは、やむを得ない話である。
就業規則や退職時に「何年間は同業他社に入社しない」という誓約書を書かせて制限をかけることもあるが、当然それでも限界はある。増本光さん(仮名・30代)は、かつて突如転職した同僚が面倒な事態を引き起こしたのだと、ため息をつく。

◆ライバル企業にスライドする取引先が増加

増本さんは都内のIT企業で営業マンとして勤務するサラリーマン。主にシステムを取り扱う仕事をしている。

「あるシステムの導入販売を担当しています。手前味噌ですが、飲食チェーン店で使ってもらっていたこともあり、業績は好調でした」

好調だった増本さんの会社だが、あるときからライバルのB社の名前を聞くことが増えたそうだ。

「正確な日付は覚えていないのですが、あるときを境に『B社に入れ替える』という会社が増えました。なぜなのか理由を聞くと、うちのシステムではできない機能を持っていると。たしかに、そこは欠点ではありましたが……。最初は、うちのユーザーを社員として入社させたのかなと思っていました」

◆優秀な同僚がまさかの裏切り

シェアを奪われ始めた増本さんの会社に、激震が走る出来事が。

「営業成績がトップで、客先からも信用されていた渡辺(仮名)という社員が退職したんです。理由は『ほかの仕事がやりたくなった』ということでした。かなり引き止めたようですが、聞き入れられなかったようです。人当たりも良く、社内でも信頼される社員で、『渡辺さんが担当してくれるなら買う』というお客さんもいました。

その後、退職したにもかかわらず、渡辺が細やかなアフターケアをしていることがわかりました。それは営業としての業務範囲を超えるもので、『渡辺さんはやってくれていたのに、なぜやってくれないんだ』と言われることが増えて。『それは渡辺が個人的にやっていたことなので』とケアはしませんでした。それも、B社に入れ替えられてしまう要因かなとは思っていました。

半年ほど経過したある日、懇意にしているお客さんから『渡辺さんがB社の営業として来たけど、知ってるの?』と連絡がありまして。つまり、渡辺は『ほかの会社に行く』といいながら、実はライバルのB社に入社していたわけです」

◆顧客情報やシステムの不備を転職前から横流し

会社が調査してみると、渡辺さんはA社に籍があった時代から、B社に情報を流していた形跡があったのだという。

「複数の客先に聞いてみたところ、やはり渡辺は営業をかけているようで、顧客リストを退職時に持ち出したのではないかという疑念が生まれて。また、情報システム部がメールのログを調べたところ、渡辺からB社のある人物にメールを送っていたことがわかりました。案の定、渡辺がうちの欠点をB社に伝え、より完璧なシステムが完成したところで転職したようなんです。それならなぜ、『ほかの仕事がしたい』と嘘をついたのか……」

結局、どうなったのだろうか。

「本人を呼び出して事情を聞こうと電話をしましたが、番号を変えられてしまい、連絡が取れませんでした。会社として訴訟を考えているという話でしたが、その後はどうなったかは聞いていません。従順で真面目な仕事ぶりだった渡辺が、実は会社を裏切っていたという事実は、驚きでした」

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同業他社への転職は、日本国憲法第22条「職業選択の自由」によって認められており、制限をかけることは、例外はあるものの、基本的にはできない。定期的な社員への声掛けや待遇改善、適法な形での抑止など、企業側が対策を講じる必要がある。

<TEXT/佐藤俊治>

【佐藤俊治】
複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など

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  • 同業他社への転職の場合、転職先へのお土産を要求されるだろうし、要求されなかったとしても、転職先ですぐに結果を出したければ、やる事は1つ。
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