
エイチ・アイ・エス(HIS)は、新たにグループ会社で雇用調整助成金の不正、不適正受給が特別調査委員会による報告で明らかになったと発表した。
ナンバーワントラベル渋谷とクルーズプラネットでは、不正受給と役員による不正が認められた。欧州エキスプレスでは、不正受給が認められたものの役員による指示があったとまでは認められなかった。
HISとツアー・ウェーブ、オリオンツアー、ラグーナテンボス、九州産交ランドマーク、九州産交バス、KASSE JAPAN、九州産交ツーリズム、ジャパンホリデートラベル、エイチ・エス損害保険、エイチ・アイ・エス沖縄、九州産交リテール、ミキ・ツーリスト、H.I.S.ホテルホールディングス、産交バスでは不適正受給があったとした。
新たに不正が明らかになったクルーズプラネットでは、社長が特別休業中の従業員の就業を黙認し、FAMツアーへの参加を指示していた。取締役は事実と異なる勤怠記録の作成、大阪本店の店長は特別休業中の従業員の就業を指示していた。欧州エキスプレスでも、申請担当者や取締役の理解不足により不正受給を行っていた。
その他のグループ会社でも、特別休業日中に勤怠記録に就労した旨の記録をせずに就労した従業員は複数存在するものの、いずれも上長から特別休業日中に就労するよう明示的に指示を受けたものではなかった。データの分析の結果、全申請のうち数%から半数近くが不適正と推察される会社も存在した。
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特別調査委員会では再発防止策として、HISにはコンプライアンス意識の醸成や労務管理の徹底、内部通報制度の周知やさらなる活用の促進を提案した。グループガバナンス問題に対しては、子会社に対する管理体制の強化や運用の改善、内部監査体制の見直しや管理部門の機能強化などを促した。
HISでは、調査結果に基づき返還すべき額を速やかに算定し、3月31日に過年度の有価証券報告書や決算短信などの訂正開示、2024年10月期の決算発表を行う。再発防止策の策定や内容、関係者の処分は3月末を目途に発表する。