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カーリング女子の世界選手権が23日まで韓国・議政府で行われ、日本代表フォルティウスは4勝8敗の9位で、26年ミラノ・コルティナ五輪の出場枠獲得を逃した。残り2枠を12月の最終予選で争う。9月にはSC軽井沢クラブ、ロコ・ソラーレとの代表候補決定戦(北海道・稚内)に挑む。元日本代表サードの市川美余氏(35)が敗因と今後の展望を解説した。【取材・構成=飯岡大暉】
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国内王者のフォルティウスが、世界で通用しなかった。1点差の敗戦が4回。接戦で最後の1歩がつかめないもどかしい戦いだった。調子は悪くなく、ショット率85%と投げるスキルは見せた。ただ、2月の日本選手権決勝で披露した90%超えはゼロ。優勝したカナダは6回達成したように、90%をキープしないと世界で戦うのは難しい。
戦術のメリハリがなかった。本来は守備的に戦い、石を減らす展開に引き込むのが持ち味。自軍の石を良い位置に残せず、いつの間にか相手の石ばかりになり、最後にスキップ吉村紗也香選手のショットが決まらず大量失点につながっていた。要所で攻める場面を作れば、自分たちのペースに引き込めたはず。世界と国内では戦い方も変わるが、フィットしていなかった。技術はあるのにできないのは、練習がただの練習になっているのではないか。場面を想定した練習ができているのか疑問に感じた。
“燃え尽き症候群”のようにも見えた。国内のレベルが上がり、勝ち抜くことが困難になった。2月がピークになってしまったのではないか。カナダも14年ソチ五輪金メダル以降、同じ状態に陥り、世界で結果を出せなくなった状況と似ている。
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ただ、9月には再び国内決戦を控える。世界経験が多いフォルティウスとロコの戦いになると予想する。フォルティウスは今大会で多く見つかった課題を克服できるかがカギ。22年北京大会時はロコに2連勝から3連敗の大逆転負けした悔しさがあり、懸ける気持ちは強いと思う。地力ではロコが有利。何度もどん底からはい上がってメンタルが強く、ピーキングがうまい。しかし日本選手権で2年負けているため、よりギアを上げないといけない。
勝者が最終予選に進み、残り2枠を争う。米国、日本にノルウェーが絡む展開になると思う。緊張感のある戦いになるが、日本は実力的に枠を取れると思う。(元日本代表サード)
◆26年ミラノ・コルティナ五輪への道 代表候補決定戦(9月10〜14日、北海道・稚内)でフォルティウス、ロコ・ソラーレ、SC軽井沢クの3チームが争う。2回戦総当たりの1次リーグ(L)を実施し、上位2チームが決定戦に進出。1次Lの直接対決の結果も含め先に3勝したチームが最終予選(12月、カナダ)に進出。8カ国で残りの2枠を争う。
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