SUPER EIGHT・安田章大主演! 唐十郎の初期作品『アリババ』『愛の乞食』を“関西弁”で再解釈し2作連続上演

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2025年03月24日 19:41  クランクイン!

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Bunkamura Production 2025『アリババ』『愛の乞食』の主演を務める安田章大
 SUPER EIGHT・安田章大が主演を務める舞台、Bunkamura Production 2025『アリババ』『愛の乞食』が、8月より東京・福岡・大阪・愛知にて2作連続上演されることが決定。安田の役ビジュアルとともに、キャストが発表された。

【写真】安田章大をはじめ、壮一帆、伊東蒼、伊原剛志、風間杜夫らが出演! キャスト陣

 初演から50年以上受け継がれる唐十郎初期の戯曲『アリババ』『愛の乞食』。唐が旗揚げした劇団「状況劇場」によって、『アリババ』は1966年、『愛の乞食』は1970年に初演され、現実と幻想、現在と過去が溶け合うそれぞれの物語は、叙情的に紡がれる言葉の数々で、人々の中に眠る普遍的なロマンを呼び起す。通い慣れた街、見慣れた景色が唐のフィルターを通して掘り起こされ、現代に生きる人々に活力と希望を与える作品としてよみがえる。

 演出を務めるのは、新宿梁山泊主宰の金守珍(きむ・すじん)。唐十郎と蜷川幸雄の両虎を師とし、アンダーグラウンド演劇に真正面から取り組んできた金は、Bunkamuraシアターコクーンで、蜷川幸雄の遺志を継ぎ『ビニールの城』(2016年)の演出を手掛け、多くの観客を魅了し見事その使命を果たした。その後『唐版 風の又三郎』(2019年)、『泥人魚』(2021年)と、次々と唐の名作を喧騒の野外テントから広壮な劇場空間に甦らせ、アングラの醍醐味の猥雑さと詩情豊かで幻想的な唐の劇世界を美しく昇華させた。

 そして2023年、野外テントの聖地・花園神社を有する新宿のTHEATER MILANO‐Zaで上演した『少女都市からの呼び声』は金らしい爆発的なエネルギーを内包した独創的な演出が記憶に新しく、アングラ演劇のさらなる躍進を予期させる瞬間でもあった。

 その歩みを止めることなく、今作では唐の初期作品2作を初の全編“関西弁”で連続上演。唐の独特な世界観を関西弁で再解釈することによって、新たな視点で戯曲の力を引き出し、アングラ演劇を次世代へつなげていく。さらに金自身は6月に新宿梁山泊主催のテント公演でも同演目を演出・上演する。

 主演を務めるのはSUPER EIGHTの安田章大。2023年に主演した『少女都市からの呼び声』で初めて唐作品に挑戦し、根底に流れる唐十郎の精神を見事に体現した安田は、今年6月に新宿・花園神社境内に特設される野外テントで『アリババ』『愛の乞食』に出演することが決定している。

 同じ演目でありながら、8月に世田谷パブリックシアターで上演する本公演ではあえて全編“関西弁”で演じ、関西出身の安田が持つ言葉の感覚を通じて、唐が紡いだ叙情的な台詞の数々を新たなアプローチで届ける。

 そして共演には、元宝塚歌劇団雪組トップスター・壮一帆のほか、伊東蒼、彦摩呂、福田転球、温水洋一、伊原剛志、風間杜夫が名を連ね、美しさと猥雑さが混在する唐ワールドを体現するに相応しい個性豊かな俳優陣がそろった。なお、伊東、伊原は『愛の乞食』のみ、風間は東京公演・福岡公演の『アリババ』のみの出演となる。

 安田は「唐さんの戯曲を関西弁。賛否両論が出ることを承知で皆さんと挑ませて頂きます。唐さんの中に答えはあっても、唐さんが戯曲への理解を他者に委ねてくださっていたからこそ、この展開は産まれたものです。関西弁の唐十郎戯曲『アリババ』、『愛の乞食』。人情味と親近感をうまく表現できる関西弁を活かして役者全員で唐さんの脳を泳いできます。共に泳ぎ倒してくだされば幸いです」とコメントしている。

 Bunkamura Production 2025『アリババ』『愛の乞食』は、東京・世田谷パブリックシアターにて8月〜9月、福岡・J:COM北九州芸術劇場にて9月、大阪・森ノ宮ピロティホール、愛知・東海市芸術劇場にて10月上演。

 演出・金守珍、キャストのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■演出・金守珍

 2023年、唐十郎作『少女都市からの呼び声』の稽古中、安田章大さんの告白に驚愕した。「自分は兵庫県の生まれなので、唐さんの台詞を頭の中で関西弁にして気持ちを作り、そこから役を深める」というのだ。だったら思い切って、すべて関西の言葉で上演してみたらどうだろう。唐さんの戯曲は、外国語に翻訳されて海外に紹介されているのだから、同じように関西出身の役者が標準語の不自由さから解放されたら、より豊かに演じられるはずだ。

 今回、唐十郎初期作品の『アリババ』と『愛の乞食』の2本立てにしたのは、『アリババ』に登場する堕胎児たちが『愛の乞食』で海賊たちに生まれ変わる醍醐味を味わってもらいたいからだ。唐さんが作品世界をどのように広げていったか。その軌跡も、とくとご覧あれ!

■安田章大

 「状況劇場」で産まれ、受け継がれてきたこの二作。令和の時代に表現する意味は2つです。1つ目は、唐十郎さんの脳を好きに泳ぎ倒して欲しいのです。正解を知っているのは唐さんだけなので、唐さんの頭の中は唐さんしか知り得ない。だから、唐さんが紡ぎ残してくださった綺麗な音符でFantasyの世界を旅して頂きたい。2つ目は、唐十郎さんの脳の中でリフレインされてきた世界はなんだったのかを“感じて欲しい”のです。

 唐さんの戯曲を関西弁。賛否両論が出ることを承知で皆さんと挑ませて頂きます。唐さんの中に答えはあっても、唐さんが戯曲への理解を他者に委ねてくださっていたからこそ、この展開は産まれたものです。

 関西弁の唐十郎戯曲『アリババ』、『愛の乞食』。人情味と親近感をうまく表現できる関西弁を活かして役者全員で唐さんの脳を泳いできます。共に泳ぎ倒してくだされば幸いです。日々起きる何かに対して解らなくて答えを探すのがあなたのもらった人生の一部ならば何か自分に残る音符を探す旅に来て頂けると我が幸せです。テントとは違う関西弁の異世界へようこそ!

■壮一帆

 今回のお話をいただいた時に、私が唐十郎さんの舞台に…!と、嬉しい思いと少しのプレッシャーを感じました。素晴らしい共演者の方々、スタッフの皆様と、憧れの世田谷パブリックシアターの舞台に立てることにワクワクしております。唐さんから紡ぎ出される不思議な言葉の数々、その世界にどっぷり浸かる日々が今から楽しみでなりません。

 また、このキャストならではの演出もあるようなので、それも楽しみです。私の中の新しい私に出会うべく、貪欲に取り組んで参ります。ぜひお楽しみください。

■伊東蒼

 2016年『ビニールの城』を観劇した時、小学生の私にとって見えるものも聞こえるものも感じるものも、全てが初めてで、私もいつかあの世界へ行きたい、と心から憧れる世界が広がっていたことを強く覚えています。

 9年経って、唐十郎さんの世界を、金守珍さんの演出の元、キャストの皆さんと万寿シャゲとして生きられることを本当に嬉しく思います。9年前の観劇体験が色褪せず私の中で残り続けているように、皆様にとってもそのような作品になるよう全力で作品と向き合いますので、是非劇場へ足を運んでいただきたいです!

■彦摩呂

 いつも劇場にて観させて頂き感動しています。俳優の方々と唐さんの脚本と金守珍さんの演出には、独特の世界観があり、素晴らしい芸術だとずっとファンでした。そんな中、突然のオファーを頂いた時はこの作品を私如きが汚してなるものかとお断りしておりました。ですが何の心配も要らないから参加してほしいと言って頂きました。関西弁ですよ。伸び伸びやって下さいと。じわじわと心を揺さぶられ、遂にお受けさせて頂く事になりました。私もこの不思議な芸術の世界の1人になりました。

 大好きな演劇に全力で挑みます。よろしくお願い致します。

■福田転球

 この出演が決まった時から全てが夢の様な、そんな心持ちです。今まで出会って来た演劇と近いようで遠い世界というか。唐十郎さん作品も初、演出金守珍さん初、キャストも風間さんを除いては初。二本立ても初。得体の知れない、色んな怪物と出会う感じ?自分が演劇を始めた頃の純粋な気持ちで、そして勝手にテント公演をイメージした熱量で挑みたいと思います。皆様、是非劇場に色んな怪物を観にいらして下さい。

■温水洋一

 学生時代、唐さんの作品はいくつか見ていて興味はあったのですが、この歳になるまで無縁で、お話をいただいた時は少し迷いましたが、安田章大さんのお名前と、初めて演出を受ける金さん。そしてシアターコクーンの制作。是非やってみようと。戯曲も現代風に手直しされるので、今から楽しみです。自分の役どころ。難しい面はありますが、アレやコレや楽しめたらと。素晴らしい作品になると思いますので、皆様、ぜひ劇場へお越し下さい。

■伊原剛志

 唐十郎さん作品(『愛の乞食』)、金守珍さん演出。共に初めてです。正直言って作品は未だ理解出来ません。取り敢えず、役者人生43年の経験を駆使し、楽しんで臨みたいと思います。関西弁での芝居も初めてなので、私の大阪で育った青春の味が出ればと思います。

■風間杜夫

 若い頃に観た「状況劇場」の印象が、今も甦る。縦横無尽に駆け回る獣のような役者たちに異次元にさらわれてしまいそうで、桟敷に膝を抱えて震えた。帰宅して鏡を見ると、そこにはとても獣になれない優男のボク。「あっちには行けないな…」それが、齢70を過ぎて、荒唐無稽な唐十郎さんの世界にはまり込むとは、予想もしていなかった。昭和の名作を令和に羽ばたかせる金守珍さんの演出力に引き込まれたところも大きいが、今作『アリババ』で、唐作品6本目の出演となる。身も心もさらわれて、楽しくて仕方がない。
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