株式の公開買い付け(TOB)の未公開情報を基にインサイダー取引をしたとして、証券取引等監視委員会は24日、三井住友信託銀行に懲戒解雇された無職、片山肇元社員(55)を金融商品取引法違反容疑で東京地検特捜部に刑事告発した。関係者によると、片山元社員は告発内容を認めているという。特捜部は近く在宅起訴するとみられる。
監視委によると、片山元社員は顧客企業の新株発行や株式公開を支援する「証券代行営業第二部」の次長や部長として、顧客企業関連のインサイダー情報を知る立場にあった。
片山元社員は2022年12月下旬ごろから24年8月上旬ごろまでの間、職務上知ったTOBの未公開情報に基づき、自己名義で計3銘柄の計2万5900株を約3210万円で買い付けていたとされる。
元社員のインサイダー取引の疑いは24年10月30日に、本人が会社に申告したことで発覚し、三井住友信託銀行は11月1日付で元社員を懲戒解雇。元社員のインサイダー取引や、元社員以外の類似取引の有無を調べる調査委員会を設置している。
関係者によると、片山元社員は一連の取引で約2900万円の利益を得たとされる。監視委は三井住友信託銀行本社も調べたが、別の容疑につながる証拠は見つからなかったという。
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監視委の担当者は「企業の未公開情報を扱う立場を利用しての取引で、極めて悪質だ」としている。【山田豊】
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