富士フイルムビジネスイノベーションは4月16日、印刷会社による印刷製造工程で必要な「紙さばき」作業を自動化する、国内初の紙さばきロボットシステム「Revoria Kamisa PH12」を7月1日に発売すると発表した。
人力で行っていた作業を自動化し、省人化につなげるシステム。適切な力加減でロボットアームを制御し、熟練した人の手と同じように巧みな力加減で紙さばきが行えるという。今後、欧州・北米・アジアパシフィック地域での発売も予定している。
印刷製造工程では、印刷後、製本前の用紙「刷本」が互いに貼り付かないよう、「紙さばき」が必要。これは、用紙の束を複数回に分けて持ち上げて風を入れ、紙揃え機に運んで紙を揃える作業だ。
紙さばきはこれまでオペレーターによる人手で行われてきたが、熟練の技術が求められるうえ、身体的な負荷も高い。
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「Revoria Kamisa PH12」は、紙さばきに必要な複雑な動きを自律制御するロボットアームと、紙種やサイズに応じてつかむ力を調整するロボットハンドなどで構成。昇降機に載った刷本をロボットハンドでつかみ、さばきながら直接紙揃え機へ運ぶ。
ロボットアームは6軸垂直多関節型。微細な角度の曲げ伸ばし、回転、ひねりなど自在な動きをプログラムできる。
ロボットハンドは、3Dセンサーにより用紙表面の凹凸や波形を読み取り、確実に用紙をつかめるという。停止位置・加減速・トルクを高精度に制御できるサーボモーターで多様な紙種・サイズに適した力で用紙をつかみ、熟練した人の手と同じように巧みな力加減を調整しながらハンドリングできるという。
ロボットハンドの先には除電器(イオナイザー)を装備。用紙をひねりつつ、イオナイザーの8つのエアノズルからイオンを含んだ風を用紙間に放出することで、静電気を除去する。
ロボットアームとロボットハンドの動作はコントローラーで制御。たわむ大判用紙もしっかりつかんで次工程に渡せるとしている。
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