松田元太パワー全開! 人見は現代社会に現れた“ピーター・パン”?【人事の人見#2】

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2025年04月22日 12:11  マイナビウーマン

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松田元太パワー全開! 人見は現代社会に現れた“ピーター・パン”?【人事の人見#2】

※本コラムは『人事の人見』第2話までのネタバレを含みます。

■“改革”の裏には、新たな悩みが生まれる

『人事の人見』第2話のテーマになったのは、“サービス残業”

「日の出鉛筆の社員のなかに、隠れ残業をしている人がいる」と労働基準監督署(=労基)に匿名で通報があったため、人事部は大騒ぎ。商品企画部の企画チームリーダー・植木(珠城りょう)が記録をつけずに残業しているという噂を聞きつけた人見(松田元太)と真野(前田敦子)は、彼女に会いに行くことになりました。

てっきり、植木は上司に無理やりサービス残業をさせられているものだと思っていましたが、彼女は日の出鉛筆の看板商品であるボールペン『シルキーボール』リニューアル案の社内コンペを控えているため、自らの意思で残業をしていたんですよね。

これは、また面倒なことになってしまった! 無理やりさせられているんだとしたら、人見や真野が上司に掛け合えばいい。でも、何とかしてコンペを勝ち取りたいと思っている植木は、「誰にも強制されてないし、残業代とかも気にしてないし、見逃してください」と言ってくる。

その後、人事部宛に「これからは健全な働き方を心がけて参ります」とメールを送ってきたから、「改心したのかな?」と思ったのに……! なんと彼女は、隠れ残業をしていました。

人見は、「仕事熱心じゃないですか」と言うけれど、今の時代こういうことを許していたら、会社が叩かれちゃうんですよね。働き方改革により、みんなが無理せず働けるようになった。でも、植木みたいに働きたい! と思っている人からしたら苦痛でしかないのかも。『人事の人見』ってフランクに見えるけれど、意外と改革の“裏”を突いていると思いませんか?

例えば、第1話では、パワハラにならないように……と上司が気を遣いすぎた結果、部下の不満が溜まっていきました。これは、いわゆるホワイトハラスメントというもの。今回の植木の件も、ある意味でホワイトハラスメントの一種と言えるのかもしれません。頑張りたいのに頑張れないのって、しんどい。でも、会社からしたら、社員の健康を守らなければならないから、口うるさく言うしかないんですよね。

人見って、何も考えていないように見えるけれど、実はいろいろなことを考えているというか……とにかく、人想いなところがいい! 例えば、植木が隠れ残業をしていることが分かった時のこと。人見は「定時に上がったんですよね? まだその辺にいるんじゃないですか?」と言い、ダッシュで追いかけました。

その後、植木を見つけ出し、彼女がなぜ『シルキーボール』のコンペにここまでの情熱を注いでいるのか? をじっくり聞いてあげる。「お前も残業になっちゃうだろ!」「ってか、よく植木がいる店が分かったな」というツッコミは置いておいて……。人見はとにかくコミュニケーションを大事にしている人だと思うんですよね。

誰だって、頭ごなしに「ルールだからダメです」と言われたら、聞く気がなくなってしまう。その点、人見は同じ目線に立って話を聞いてあげるから、みんな心を開いちゃうんだと思います。

また、常務取締役の里井(小日向文世)に、「気になってたんすけど、この会社って偉い人に気に入られると、出世するみたいなことってあるんすか?」とかストレートに聞けちゃう天然っぷりも憎めないんですよね。演じている松田元太さんがピュアな人だからこそ、「こんな人間いないだろ〜!」とならないというか。「人見だから許せちゃうよね」って思わせるのがすごい!

■人見は、現代社会に現れた“ピーター・パン”?

しかし、人見のやり方には「んん?」となる点も多いです。とくに、今回はヤバすぎる。仲間たちと協力することの大切さを植木に教えたかったのは分かるけれど、植木問題の関係者たちを倉庫に閉じ込めたのは意味が分からない!

そりゃ、須永(新納慎也)が電話で「今、俺と真野と国枝と植木さん夫妻が、人見に閉じ込められてて〜」と助けを求めても、「ごめんなさい、どういう状況ですか?」ってなりますよね。ミン・ウジン(ヘイテツ)の対応が正しい! しかも、これって普通に監禁罪ですよね?

さらに、閉じ込めた南京錠の鍵をなくしちゃうというのも、人見らしいというか、なんというか……。そのおかげで、植木が「(アポに)間に合わない! だから、間に合う人に頼む!」と他人に頼ることができたので、結果オーライなのかもしれないけど、さすがに危なすぎる! 人見の行動がすべて計算し尽くされているものだとしたら見直しますが、すべてミラクルっぽくないですか? たまたまいつも成功しちゃってる〜って感じに見える。

正直なところ、『人事の人見』は、現実世界ではあり得ないような展開が起こりまくっています。でも、何もかもが上手くいくわけじゃないこんな時代だからこそ、現実世界を忘れさせてくれる1時間があってもいいんじゃないかな? と思うんです。近年のドラマはリアリティを追求しているものが多いけれど、本作のような作品があってもいい。救われる人は、必ずいるはず!

人見って、現在社会に現れたピーター・パンみたいな人ですよね。浮世離れしていて、いつまでも子ども心を忘れていない。彼自身に特別な力があるわけじゃないけど、いろいろな人の助けを借りながら、世の中に魔法をかけていく。

そういえば、人見の過去ってあまり明かされていないですよね。バックパッカーをしていたところを、里井に拾ってもらった……くらいしか分かっていない。そもそも、なぜバックパッカーになったのか? どんな場所で生まれて、どのように育ってきたのか? 回を重ねるごとに、彼のパーソナルな部分も明らかになっていくのでしょうか。

ではでは、また次回の放送でお会いしましょう!

(菜本かな)

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