スーパーフォーミュラに参戦するTRD01Fエンジン車の車体ロゴに変化。TRDはTGR-Dに。2チームにはTG-RRが

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2025年04月24日 14:30  AUTOSPORT web

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平良響(KDDI TGMGP TGR-DC)/2025スーパーフォーミュラ第3戦&第4戦もてぎ
 2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は第1大会の鈴鹿、第2大会のもてぎを終えているが、今シーズンTRD01Fエンジンを使う車両に貼られる共通のロゴに変化があることにお気づきだろうか。エンジン名には『TRD』の名称は残っているが、今季、車両から『TRD』のロゴがなくなった。一方、2チームには今シーズンから『TG-RR』のロゴがついている。この使われ方を調べた。


●モノコック部分のTRDロゴは『TGR-D』に変更

 TRDは1954年に設立されたトヨペット整備をルーツとし、1974年にはモータースポーツ部品の商標として『TOSCO』が誕生。1976年には商標が『TRD』に変更され、以降世界中で戦うトヨタ/レクサス車の多くに『Racing Development TRD』のロゴがつけられてきた。これまでモータースポーツ界、さらに市販車パーツではお馴染みだったロゴだ。

 そんななか2018年にはトヨタテクノクラフト、トヨタモデリスタインターナショナル、ジェータックスが合併しトヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)に。さらに2024年12月には、TCDからモータースポーツ事業が新会社に承継され、『トヨタ ガズーレーシング ディベロップメント(TGR-D)』が誕生していた。

 TGR-Dは「長年にわたりレーシングカーの開発、レースイベントの企画・運営で培ったノウハウを最大限活かし、トヨタとともにモータースポーツを起点とした『もっといいクルマづくり』の強化・発展に寄与できるもの」というコンセプトのもと生まれているが、2025年からスーパーフォーミュラのTRD01Fエンジン車のモノコック部分につくロゴは、2024年までの『TRD』のロゴから『TGR-D』のロゴに変更されている。

 またスーパーフォーミュラだけでなく、スーパーGT、スーパーフォーミュラ・ライツでも『TGR-D』のロゴが使われているほか、スタッフウェアも昨年までの『TCD』から『TGR-D』のロゴに変更された。

 スーパーフォーミュラ第1大会の際に、高橋智也GRカンパニープレジデントに直撃すると、「これまでブランド名として『TRD』は使っていましたが、会社としてはトヨタカスタマイジング&ディベロップメントでしたよね。エンジン名としてはTRDが残っていますが、ブランドとしては今後『TGR-D』を使っていくことになります。一部部品などTRDブランドは残りますが、サーキットではTGR-Dのロゴが使われることになります」という。

 なお高橋プレジデントによれば、TRDブランドが馴染み深いアメリカでは「今年から乗用車のパーツについては『GR』、トラック系は『TRD』でやっていこうという棲み分けになっています」という。国内でも一部ロゴが残っているほか、TRDブランドはまだまだ残ることになりそうだが、サーキットでは今後TGR-Dのロゴがお馴染みになっていきそうだ。


●2チームにつく『TG-RR』の意味は

 一方、スーパーフォーミュラに参戦するチームのうちdocomo business ROOKIEとKDDI TGMGP TGR-DCには、『TG-RR』のロゴが貼られている。このTG-RRは、2025年1月の東京オートサロンで発表されたもので、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)とROOKIE Racing(RR)が一体となった活動を表すものとされる。

 TGRの説明によれば、今回のTG-RRの誕生については「RRは、マスタードライバー、プロドライバー、ジェントルマンドライバー、社内の評価ドライバーといったさまざまなドライバーの”技”と”心”で『もっといいクルマづくり』と『人材育成』を行うことを主眼としたプライベーターチームです」とされる。

「これまで、TGRとRRは『クルマづくり・人材育成の主体はTGRであり、プライベーターチームとしてモータースポーツ参戦を行うRRはその活動の一部』という関係性でした。今後は、『レースなどの極限状態における走行データを共通言語として、現地現物でクルマや人と向き合う開発パートナー』として、ともにモータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりや人材育成を、一段高いステージへ引き上げていくことを目指します」

 この『TG-RR』について、ROOKIE Racingの豊田大輔ゼネラルマネージャーに聞くと「スーパー耐久やニュルブルクリンクへの挑戦など、『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』の活動のときに使われるロゴになります。より市販車開発に近い活動で多く使われると思います」という。

「もともと『GAZOO Racing』もその思いでスタートしたのですが、世代が変わるごとに変化しています。その活動を先代、先々代から引き継ごうとすると、たいてい“こなそう”としてしまうんです。当初の哲学や理念を受け継ぐよりも、“こなすこと”を優先してしまいます。そういった当初の思いをROOKIE Racingの活動で示してきましたが、それで良いのか? というとまた違います。TGRとしてもその哲学や理念を思い出して取り組もうとなり『では一緒にやろう』と活動しているのが『TG-RR』です」

 実際に、東京オートサロンで展示された今季のスーパー耐久参戦車両にも『TG-RR』のロゴがつくが、ではスーパーフォーミュラではどういう基準で2チームにつけられているのかというと、TGRの説明にも記されているとおり、『TG-RR』は『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』を通じた、クルマづくり、人材育成というふたつの活動につけられるもの。ドライバー育成の意味合いをもつKDDI TGMGP TGR-DC、そして人材育成の意味合いをもち活動しているdocomo business ROOKIEの2チームが『TG-RR』のロゴをつけるのはそういう理由だ。

 この2チームについては、TGR-D、TG-RR、さらにドライバー育成の『TGR-DC』と似たロゴが多くつくが、それぞれに意味合いを持っている。

[オートスポーツweb 2025年04月24日]

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