
【動画】フランソワ・オゾンが人生の秋を色鮮やかに描き出す『秋が来るとき』本予告
『焼け石に水』『8人の女たち』『スイミング・プール』など、カンヌ、ベルリン映画祭の常連、フランス映画の巨匠フランソワ・オゾンの新作は、自然豊かなフランス・ブルゴーニュの秋を舞台にした人生ドラマ。2024年サン・セバスティアン国際映画祭にて脚本・助演俳優賞を受賞、第50回セザール賞では主演女優賞・新星男優賞にノミネート、第30回リュミエール賞では、脚本賞、監督賞、主演女優賞、有望男優賞にノミネートされるなど高評価を獲得。横浜フランス映画祭2025で上映された際は絶賛された。
ミシェルは自然豊かで静かな田舎での一人暮らし。休暇で訪れる孫と会うことを楽しみに、家庭菜園で採れたにんじんをスープにし、デザートは自作のケーキ、そして秋の気配が色づく森の中を親友とおしゃべりしながら散歩する。後ろめたい過去を抱えつつも80歳の女性ミシェルが人生の最後を自分のため、家族のため、友人のため、ある秘密を受け入れる。
美しいブルゴーニュの景観の中、人生の秋から冬を迎える女性のドラマを繊細に、時にドラマティックに描き出す。さらにサスペンス的な要素も垣間見える本作は、初期のオゾンの作風を彷彿させ、成熟した大人や映画ファンに静かな感動をもたらすだろう。
主人公ミシェルを演じたのは、映画、舞台でも活躍するベテラン女優エレーヌ・ヴァンサン。その親友役に、ジョジアーヌ・バラスコ。その息子役にサン・セバスティアン国際映画祭で助演俳優賞を受賞したピエール・ロタン。日本でも大ヒットを記録した『スイミング・プール』のリュディヴィーヌ・サニエも2003年以来、約22年ぶりに出演。新旧のオゾン・ファミリーが一堂に会し、熟練した演技を魅せる。
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その事件から、目を背けていた現実がゆっくりと近づいてくる。「母の過去が許せない」と言い涙を流す娘、「君の母親はいい人だ」とミシェルをかばう親友の息子。家族のため、友人のため、残りの人生のためにミシェルが守った、ある秘密とは。オゾン監督が幼少期によくバカンスで訪ねていたブルゴーニュの風景の中で、ベテラン女優たちや新旧オゾン組が人生の秋を色鮮やかに描き出す、美しくもサスペンスな雰囲気が伝わってくる予告となっている。
ポスタービジュアルは、主人公ミシェルとその親友マリー=クロードがキノコ狩りに向かう姿を収めたもの。彼女たちの周りにある、赤や黄色に染まった紅葉が季節の移ろいの静けさや切なさ、温かさを演出し、横に添えられた「探しにいきましょう、これからの人生を。」というコピーがまるでふたりの今後を示唆しているかのようなビジュアルとなっている。
映画『秋が来るとき』は、5月30日より全国公開。