阿部寛「俺ではない炎上」でSNS殺人犯に仕立てられ炎上男演じ「現代社会の問題が色濃く反映」

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2025年04月25日 07:00  日刊スポーツ

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映画「俺ではない炎上」に主演の阿部寛(C)2025「俺ではない炎上」製作委員会(C)浅倉秋成/双葉社

阿部寛(60)が、映画「俺ではない炎上」(山田篤宏監督、9月26日公開)に主演することが24日、分かった。ある日突然、SNSで身に覚えのない事件の犯人に仕立て上げられ逃亡をはかる主人公を演じる。「オファーをいただいたとき、まず『この物語には現代社会の問題が色濃く反映されている』と感じました」と、意義のある作品だと強調した。


「俺ではない炎上」は、作家浅倉秋成氏の同名小説の映画化作品。阿部が演じる山縣泰介は、ニュースで女子大生殺人事件が報じられ、SNSでは犯人の特定が始まった中、自身のものと思われるアカウントに犯行現場の写真がアップされていたことなどから「犯人は大帝ハウス営業部長の山縣泰介に決定!」と、犯人説が真実かのように独り歩きを始め、大炎上。私人逮捕に名乗りを上げる配信者や、自身が正義と疑わない人々に追いかけられ「私は無実です!」と必死に訴える役どころだ。


「明日は我が身のノンストップ炎上エンターテイメント」と銘打つ作品について、阿部は「SNSでの無責任な拡散、根拠のない炎上、そして家族との絆の再構築…これらが1つのドラマとして融合していて、非常にチャレンジングでやりがいのある作品になると感じました」と、リアリティーとエンターテインメント性を併せ持った作品だと評した。そして「逃げながら人間性を取り戻していく男の姿は、シリアスであればあるほど滑稽でもあり、演じるうえで細やかな感情の起伏が求められた。人間としての弱さ、強さ、そのどちらも丁寧に表現したいと思いました」と、滑稽さと人間性を兼ね合わせた表現を強く意識したと語った。


原作者の浅倉氏は「現代で起こりうる最悪の悲劇って何だろう。考えた結果、私がたどりついたのは、無実の罪を着せられたことによる大炎上でした」と執筆にあたり着想したポイントを説明。「まったく心当たりがない。なのに、巧妙に犯罪者に仕立て上げられている。助けを求めても、弁明をしても、誰も手を差し伸べてくれない。どころか、状況はひたすらに悪くなっていくばかり」と続けた。


そして「肉体的にも精神的にも限界まで追い詰められていく主人公を書こうと奮闘したものですから、今作を映画にしていただけると聞いたとき、きっと主演の方は主人公と同様、とんでもなく苦しい思いをされるに違いないと予感しました。阿部寛さん、申し訳ありません。本当に本当に、完成が楽しみで仕方がありません」と、主演の阿部に謝罪しつつ、完成に期待を寄せた。


阿部は「この作品を通して、家族や人とのつながりの大切さを改めて感じてもらえたらうれしいです」と呼びかけた。

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