「生でライブを見ているような感覚を映画館で味わうことができる作品です」詩羽『パリピ孔明 THE MOVIE』【インタビュー】

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2025年04月25日 08:10  エンタメOVO

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詩羽(C)エンタメOVO

 なぜか現代の渋谷に転生した三国時代の天才軍師・諸葛孔明(向井理)は、アマチュアシンガーの月見英子(上白石萌歌)の軍師となり、共に音楽の力で“天下泰平”を目指すことに…。人気コミックを原作とするテレビドラマを映画化した『パリピ孔明 THE MOVIE』が、4月25日から全国公開される。本作で2人に対抗するシンガーのshinを演じた詩羽に話を聞いた。




−まず、出演オファーがあった時の気持ちから聞かせてください。

 ドラマの方では、詩羽としてカメオ出演のような形で出演させていただきましたが、全く別の役で映画にも出させていただくことになり、ビジュアルがほとんど同じ状態で、ドラマとは別の役で出るというのは一つの挑戦だと思いました。それをしようと思った製作チームは面白いなと感じましたし、全然違う役だからこそ、shinという役を演じ切りたいと思って、純粋にうれしかったです。

−もともと「パリピ孔明」にはどういうイメージを持っていましたか。

 ドラマを見ていても、皆さんが音楽をこよなく愛しているというのはすごく伝わってきました。その中で、歴史が交錯したり、人とのつながりが大事になってきたり、青春もありつつ、音楽というものに重きを置いている音楽ラブの人たちが集まっている作品だという印象がありました。

−最初に脚本を読んだ時はどんな印象でしたか。

 お兄ちゃん役の神尾楓珠さんと初めてご一緒させていただくことになったのですが、妹役は初めての挑戦だったので、どんなふうに演じることができるのかと思いました。あとは、台本の時点ではライブシーンでまだ見えないところがたくさんあったので、本番ではどうなるのかというのがすごく楽しみでした。

−役作りのために工夫したことやshinのこういうところが好きだと思った部分はありますか。

 shinはすごく素直な子だと思いました。音楽に対する愛も感情も真っすぐで、素直だからこそ感受性がすごく豊かです。私は素直じゃないところがあると自分で理解しているので、shinの素直さや、お兄ちゃんに真っすぐ自分の思いを伝えるところは、素直でいようと意識して演じたと思いますし、そういうところは私がすごく憧れる部分でもあると思います。

−shinを演じたことで何か変化はありましたか。

 特にないです。私は素直じゃないところがいいところでもあると思っているので。素直じゃないところが自分にはあると理解した上で、shinのような素直な人間ってすごくいいなと思いました。

−映画版はかなりスケールアップしていましたね。

 皆のスタイリングが、引き算を知らないスタイリングというか、皆足し算で出来上がっているキャラクターたちで、全員が主人公のようなビジュアルでインパクトがあるので、派手なファッションがすごく好きな人間としてはうれしかったです。皆キャラが強いけど、歴史の学びがちゃんとあちこちにあったりするという、変なギャップの面白さがすごく好きでした。本当に皆派手派手な衣装なので、人にあげることもできないぐらい印象的かなと思います。

−shinのスタイリングについてはいかがでしょうか。

 私のライブ衣装は、スパンコールのセットアップに羽を付けたものになっているんですけど、あんなに大きな羽を付けてライブをすることはなかなかないことでしたし、どういうふうに皆さんの目に映るのかが分からなかったので、「これはおかしくない?大丈夫?」という不安はありました。でも本気で歌って本気で演じることによって、あそこの画がすごくかっこいいものに仕上がったことは、後から見て安心しました。

−演じる上で心掛けたことや気を付けたことはありましたか。

 ライブシーンの撮影の日は、リハーサルで初めて見えた景色がすごく多かったんです。ライブシーンを撮る時は結構ドタバタしていましたが、その日は皆が全力で取り組んで、皆の熱量がすごく集まった1日になったので、私もすごく頑張りながら乗り切ることができてよかったと思いました。やっぱりライブが一番印象的なシーンでした。演じる上では、兄妹のシーンの中で距離感があるといい兄妹には見えないというのが私の懸念したところだったので、神尾さんと初めてお会いする時から、自分からコミュニケーションを取りにいって、妹として「お兄ちゃん」という感覚で話し掛けたことが、いい兄妹の演技につながったのかなと思っているので、そこは意識してよかったと思っています。

−肝心のライブのシーンはいかがでしたか。

 ほとんどの映画は、歌唱シーンを撮るとなると、「こっちからの画を撮って、ここで止めて」というように撮影を行うことが多いと思いますが、この映画はライブとして、普段フェスなどで入っている機材が入っていて、1曲まるまる歌うのを2回やって、それで本番という状態の撮影になっていたので、実際に普段やっているライブと同じようにできて、私はすごくよかったです。変に緊張せず、カメラも特に意識はせずに、目の前にいるお客さんたちに向けて目いっぱいのパワーを向けたことが、いい演技につながったのかなと思います。

−兄役の神尾さんの印象は?

 実際の関係でもお兄ちゃんのようでした。すごく物腰が柔らかい方で、いろいろと受け止めてくださるところがありました。あとは、演技の切り替えがすごく大事だったのですが、私もトークシーンのあとですぐに泣くシーンを撮ることもあったんです。そういう時はドタバタしていたので、いつもは私から話し掛けるけど、急に私が黙り込んでも、それをちゃんと感じ取って、何も言わずにそばにいてくださったこともありました。お兄ちゃんとして遠くで待っているわけでもなく、隣にいてくださっていると感じて、すごくうれしかったです。

−向井さん、上白石さんの印象もお願いします。

 萌歌ちゃんとは一緒のシーンがほとんどなくて、ライブシーンだけが一緒のシーンでした。自分のシーンが終わった後のライブが萌歌ちゃんだったので、カーテンの影からこっそりのぞかせてもらいました。映画の中にも萌歌ちゃんのライブを兄妹で見るシーンがあるんですけど、そのシーンの時も心からかっこいいな、すごいなという気持ちで横から見ていました。皆の真ん中に立つ萌歌ちゃんの輝いている姿に感動しました。

 向井さんとはおしゃべりをするシーンはありませんでしたが、現場で一緒になることはちょこちょこありました。座長として、いつも皆さんのことを引っ張ってくださいました。撮影はすごく暑い時期だったんですけど、衣装がすごく重そうで、暑いし大変そうでしたが、全く弱音を吐かずに私たちのことを引っ張り続けてくださいました。かっこいい姿をずっと見せ続けてくださったので、私も頑張れたと思います。

−完成作を見た感想と観客や読者に向けて一言お願いします。

 映画の大部分がライブシーンになっていること自体がすごく挑戦的で面白いなと思いました。出演した身としては、あんなに映画として生感がある映像はなかなかないと思ったので、音楽シーンを、音楽を大好きな人たちにたくさん見てほしいですし、歴史が好きな人や演技が好きな人にも、楽しんでもらえる作品になっていると思うので、本当にいろんな方たちに見てもらえる作品になったと思います。ライブシーンが本当に圧巻で、生でライブを見ているような感覚を映画館でも味わうことができると思うので、ぜひ映画館の素晴らしい音響の中でライブシーンを楽しんでいただけたらと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)


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