バニャイア、新パーツ導入も戦闘力不足に苦言「ポテンシャルを最大限に引き出せない」/第5戦スペインGP

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2025年04月28日 15:20  AUTOSPORT web

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フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGP第5戦スペインGP
 4月27日、2025年MotoGP第5戦スペインGP MotoGPクラスの決勝がヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われた。ドゥカティ・レノボ・チームのフランセスコ・バニャイアは3位を獲得し、マルク・マルケスは転倒を喫するも猛追の末に12位でポイントを獲得した。

 ヨーロッパラウンド初戦となった今大会、ドゥカティ・レノボ・チームはデスモセディチGP25にアップデートを施して臨んでいた。大きく目に見えたのはリヤウイングの違いで、マルク・マルケスはベースの物と変わらず、バニャイアはカタールテストで試していた新しいものを装着していた。マルク・マルケスも新しいものを一時的試していたようだが、最終的には25年型ベース仕様に戻して挑んでいた。

 初日において新パーツ導入のバニャイアは昨年樹立した自身のレコードを更新するアタックを見せ、プラクティスは2番手と好発進を決めた。そんなバニャイアは「ユーズドタイヤでのパフォーマンスの向上させる必要がある。バイクは昨年のものと非常に似ているけど、細かい変更が加えられていてターン5、11、12など、コース上のいくつかのエリアで前進する必要があるね」と語っていた。

 対してマルク・マルケスはフリー走行1回目の前半は計測できず少々出遅れ、トップから0.267秒差の4番手となった。そんな彼は「予想以上に状況が複雑になった。正しい方向性を見つけ、速さと安定性を保つために何が必要かを理解する必要がある」とコメント。

 ただ、終盤には良いフィーリングも見つけ出していたようで、2日目の予選では速さを取り戻す。ポールポジションこそファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)に譲る形となったが、0.033秒差で2番グリッドを獲得してスプリントでも見事開幕5連勝を飾った。一方のバニャイアはマルク・マルケスに予選で0.112秒差とほぼ互角の速さを見せていたが、スプリントはバトルなどもなく3番手スタートから3位フィニッシュと少々戦闘力の違いが浮き彫りとなることに。

 続く決勝では、オープニングラップでバニャイアが一時前に出るも、マルク・マルケスに前を行かれてしまう展開になったが、3周目にはトップを追撃中のマルク・マルケスが転倒を喫したことにより2番手に浮上。今季初優勝のチャンスが巡ってきたが、アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)に先行を許してしまうだけでなく、クアルタラロを追撃するも仕留めることができない。明らかに昨年まで披露していた戦闘力は不足しており、スプリントに続いて課題の残る3位表彰台にとどまることとなった。

 決勝後、バニャイアは「1周目にマルクとバトルをした後、ファビオに追いつこうと全力でプッシュしたけど、残念ながらオーバーテイクには至らなかった。その後は、11・12コーナーでアレックス(マルケス)ほどの力を発揮できず、追いつくためにそのチャンスを最大限に活用することができなかった」と語った。

 一方序盤に転倒を喫しマシンにダメージを負いながらも、懸命に走るマルク・マルケスは華麗なオーバーテイクショーを披露。次々にライバルたちを交わし、12位まで挽回して貴重な4ポイントを持ち帰った。ミスを最小限にとどめたことで、アレックス・マルケスとは1ポイント差、バニャイアとは19ポイント差の2位で終えている。そんなマルク・マルケスは決勝後に次のようにコメントした。

「タイトル争いに加わるためには、このミスから学ぶ必要がある。素晴らしいスピードだったけどアタックできていなかったから、クラッシュの原因を完全に理解する必要がある。レース後半は僕の得意な部分だと分かっているが、残念ながらこのような結果になってしまった。重要なのはペースがあり、トップまであと1ポイントという点だ。アレックスの勝利は彼にとってキャリアの目標のひとつだったと分かっていたから本当に嬉しく、誇りに思うよ」

 まだ開幕5戦だが、マルク・マルケスがドゥカティファクトリーに加入し強さを見せているのに対し、バニャイアはまだ本領発揮できていない様子が伺える。今回は新パーツも導入し、セッティングなどあらゆる変更を加えていたが、バニャイアの今季初勝利まではまだ少し時間がかかるのかもしれない。

 ただ、本来のドゥカティ・デスモセディチGP25のポテンシャルを引き出せていないこと、オーバーテイクできるほどのパフォーマンスがないことはバニャイアも承知済みで「決勝ではバイクのポテンシャルを最大限に引き出せず、満足のいく結果ではない。月曜日のヘレス公式テストでこの点を修正する」とコメントしていた。

 4月28日(月)には同地ヘレスで公式テストが実施され、次戦の第6戦フランスGPに乗り込むこととなる。圧倒的強さを見せるドゥカティ勢だが、そのなかでも依然として牙を隠しているバニャイアが、今回のヘレス公式テストでどこまで戦闘力を底上げしマシンを仕上げることができるだろうか。

[オートスポーツweb 2025年04月28日]

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