
※このコラムは『子宮恋愛』4話までのネタバレを含んでいます。

■自分の誕生日パーティー準備をセルフで行う新しいタイプの地獄
「今日の夕ご飯ちょっと贅沢にしてもいいかな?」と夫である恭一(沢村玲)に尋ねるまき(松井愛莉)。すると、「そうだね。誕生日だもんね」と、恭一は返します。
会話に違和感がありすぎて、誰の誕生日なのか理解するのに戸惑ったのですが、「恭一の誕生日のためにまきがご飯を贅沢にする」という話ではなく、まき自身の誕生日の話で驚愕。
まきの誕生日なのに自分のために贅沢なご飯を作る⁉︎ しかもそれをわざわざ恭一に許可を取る必要が⁉︎ 誕生日の概念を覆す行動の数々に、我々の理解が追いつきません。
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しかもまきは、恭一が誕生日を覚えていてくれたことだけを純粋に喜んでいる様子。恭一のモラハラに飼い慣らされすぎて、幸せのハードルが下がりまくっています。
■離婚しないことは夫への復讐

今回、まきの育った家庭環境についても明らかになりました。他で女を作り、母とまきを捨てて出て行ってしまったまきの父。母と父は長年音信不通のようですが、離婚はしていないようです。そこにはまきの母の意地とプライドがありました。
「離婚はしない。夫が幸せになることや、離婚して他の女と一緒になることが許せない。それくらいしかあの人を苦しめる手段はないんだから」
勝手に出て行った夫への唯一の抵抗が離婚をしないこと。
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きっぱり離婚して自分の幸せを探す事よりも、相手を不幸にするために自分の人生を捧げる選択をしたまきの母。ぶっちゃけ、まきの父は新たな女性と暮らしているのであれば、結婚という紙きれ一枚の話なんて、何のダメージにもならず大きな意味を持っていなそうですが……。
まきの母がこの調子だと、恭一の浮気が発覚した際に母がどのようなリアクションを取るのかも見ものです。
■山手と親しい里菜の関係性

相変わらず自由奔放に生きる山手(大貫勇輔)はセフレとも楽しんでいるよう。その関係も相手から別れを切り出されれば、執着もなくさらっと受け入れる相変わらずの様子。
その最中、前回も連絡があった里菜という女性から電話がかかってきます。「本命には勝てないな〜」と、セフレもその里菜の存在を周知しているよう。
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もしかしてこの里菜は別居している山手の子どもでしょうか? 女と勘違いさせるミスリードの演出のように見えます。
■クズの大祭典始まる

まきが帰宅すると、今夜はまきの誕生日パーティーのはずなのに、恭一の姿がありません。机の上には、「仕事で学校に行かなきゃいけなくなった」という置き手紙と共にプレゼントが置かれていました。
もちろんこれは嘘。浮気相手である寄島(吉本美憂)からの呼び出しがあり、妻であるまきの誕生日よりも、寄島との密会を優先したクズOFクズ。いや、しかし演出にしてもさすがにクズがすぎる……。
しかし、その事実を伝えると寄島が怒り始めます。
「恭一勘違いしてない? 私マキちゃんのこと好きなの。だから大事にしてあげて?」
ここからまた我々の理解を超えた会話が繰り広げられていくとは予想だにしませんでした……。
■ジャイアン超えの暴君・寄島

「それさ、寄島が言うのおかしくない?」恭一がこのドラマの中で初めてまともな言葉を吐きました。
すかさず「おかしくないよ!」と反論する寄島。「いやおかしいです!」と即座に画面前で反論したくなる我々視聴者。
「私と恭一がこうしてることと、私がまきちゃんを好きなことはまっったくの別問題だから」
また我々の脳が追いつかないセリフを寄島が宣います。お前は何を言ってるんだ? 正気か? 頭いかれてるのか? 寄島、ちゃんと義務教育受けた? 幼卒?
「そんなの支離滅裂じゃん!」恭一が二度目のまともなセリフを言い、我々の気持ちをまたも代弁してくれます。
「私は自分が欲しいものを手に入れたいだけなの。他人は関係ないの。まきちゃんも傷つけたくないけど、私と恭一がこうしていることで、結果として傷ついてしまうのは仕方ないことだと思う。誰も傷つけずに欲しいものだけ手に入れるって無理でしょ」
誰かが傷つく場合は諦めると言う選択肢がない、ジャイアンを超えた思想を持つ寄島に恐怖しかありません。モラハラとサイコパスの不倫カップル。もうここでくっついてくれや。
■目を覚まし始めたまき

恭一が寄島のお腹の傷をさすっていましたが、この傷とあのイかれた思想に何か相関があるのでしょうか。帝王切開や過去の流産など、色々含みのある描写でした。
一方まきは、恭一のために作った昼食のサンドイッチが1口だけ食べてゴミ箱に捨てられていることに気が付きました。モラハラの一言ではで済まない人畜非道な振る舞い。
そして、まきへのプレゼントの袋の中には寄島と会った時のバーのレシートが……。浮気するのにレシートをもらうな……。
モラに飼い慣らされまくったさすがのまきも、色々と気づき始めたようです。そんな中、山手からの何気ない電話に、崩壊しそうだったまきの気持ちが救われます。

恭一から山手へ気持ちが移りかけている中での、恭一への不信感。これは山手への気持ちの歯止めが効かなくなってしまいそうですが、果たして……。
(やまとなでし子)
※『子宮恋愛』はTver、FODにて配信中
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