
GWが終わり、少しずつ暑さを感じる日が増えてきました。夏本番でフル稼働させる前に、ぜひやっておきたいのが“エアコンのお掃除”です。
「なんだか面倒だし、まあ大丈夫でしょ」と思って、エアコンの掃除を後回しにしている人もいるかもしれません。しかし、エアコンの掃除をさぼると電気代が余計にかかってしまうことを知っていますか?
この記事では、エアコンのフィルター掃除の有無で電気代にどのくらい差が出るのか、具体的な金額を提示します。また、フィルター掃除以外の節電方法も合わせて紹介します。
きれいなエアコンで、気持ちよく夏を迎えましょう!
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●エアコン掃除によって、電気代はどのくらい変わる?
エアコンは使用し続けるうちに徐々にホコリが溜まっていくため、フィルターの定期的な掃除が欠かせません。とはいえ、つい面倒に感じて掃除をさぼってしまうこともあるでしょう。そこで、エアコンのフィルター掃除をしないままでいると、電気代にどのような影響が出るのか、ダイキン工業が行った実験の結果を紹介します。
フィルターの掃除をする
実験では、約3年分のホコリが溜まったフィルターでエアコンを稼働させた場合と、フィルターを掃除して稼働させた場合を比較しています。
実験の条件
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・冷房運転、風量自動、設定温度(当日の予想最高気温マイナス8度)
・日中9時間(9:00〜18:00)、エアコンをつけっぱなしにして消費電力量を計測
・電気料金は目安単価 31円/kWhで算出
フィルター掃除をすることで、消費電力量は48.9%削減、電気料金は1カ月に換算すると800円削減できることが分かりました。
フィルターの掃除+室外機周辺の片付けをする
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この実験ではさらに、室外機周辺に風通しを遮る障害物がある場合の影響も検証しています。
具体的には「3年分のホコリがあるフィルター」+「室外機周辺に風通しを遮る障害物がある」状態と、「フィルター掃除」+「室外機周辺の障害物を片付けた」状態を比較しています。
フィルターの掃除と室外機周辺の片付けを行うことで、消費電力量は105.1%削減、電気料金は1カ月に換算すると1720円削減できることが分かりました。
言い換えれば、フィルター掃除を3年間1度もせず、室外機の周辺に物を置いている状態は、ひと月1720円も無駄に電気代を払っていることになります。
●2週間に1度のフィルター掃除で約4%の消費電力を削減
ダイキン工業の実験は、約3年間フィルターを掃除しなかった場合のデータなので、「さすがにそこまで放置していない」という人も多いかもしれません。
ちなみに1年間フィルターを掃除しなかった場合は、消費電力量が約25%増加することも試算されています。この場合、1カ月の電気料金は409円増えます。
エアコンメーカーでは、2週間に1度の目安でフィルター掃除をすることを推奨しています。環境省の公式サイトにも、2週間に1度のフィルター掃除で、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力の削減になると記載されています(出典:環境省『デコ活』サイト)。4%の消費電力削減は、1カ月の電気代にすると65円ほどの削減になります。
わずかな金額に思えるかもしれませんが、フィルター掃除を2週間さぼると約65円、1年さぼると約400円、3年さぼると約800円も1カ月の電気代が余計にかかってしまうと考えると、決して軽視できる金額ではないでしょう。
●その他のエアコン節電方法
フィルター掃除以外にも、エアコンの電気代を節約できる方法があります。フィルター掃除と合わせて実践してみてください。
エアコンの設定で節電する
エアコンの冷房時の設定は、「設定温度28度」「自動運転」「風向を水平」にすると効率よく部屋を冷やすことができ、節電につながります。
冷房時に温度設定を1度高くすると、13%(約70W)の消費電力の削減になります。設定温度28度は「ちょっと暑いかも」と感じるかもしれませんが、温度を下げすぎないように意識して、この28度を一つの目安にしてみるのがおすすめです。
自動運転は、部屋が設定温度になるまでは強風、設定温度になってからは微風になるので、余計な電力を使わずに済みます。
風向については水平にすることで、冷たい空気が上から下に循環し、温度ムラがなくなることで消費電力を抑えることができます。
室外機に日よけを設置する
室外機の周辺に物を置いたり、直射日光が当たっていたりすると、冷房効率が落ちて無駄な電力を消費します。日よけを設置して日陰を作るとよいでしょう。その際、吹出口を塞がないようにしましょう。
カーテンを閉める
カーテンを閉めることで日差しが遮られ、窓から熱が入ってくるのを防ぐことができます。同時にエアコンの冷気が外に逃げるのも防ぐため、冷房効率が高くなります。
部屋が暗くならないレースのカーテンでも効果があります。また、外出時はカーテンを閉めてから出かけると、室内の温度上昇を抑えることができます。