ケビン・エストーレ/ローレンス・ファントール/パスカル・ヴェアライン組の6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ) 2025年WEC第3戦スパ ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)のケビン・エストーレは、WEC世界耐久選手権第3戦『スパ・フランコルシャン6時間レース』の予選で、ワークスチームのポルシェ963が2台とも“二次予選”のハイパーポール進出を逃したことを受け、「フラストレーションを感じ始めている」と認めた。
エストーレがドライブした6号車ポルシェは2分01秒512というタイムで総合12番手となり、チームメイトであるジュリヤン・アンドラウアーの姉妹車5号車がすぐ後ろろ13番手に。PPMの2台は、ポールポジションを獲得した50号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)からそれぞれ1.895秒、1.971秒の差をつけられている。
ポルシェ・ペンスキーのワークスカー2台が揃って予選ファーストステージで敗退したのは、開幕戦『カタール1812km』以来、2戦ぶり今シーズン2度目だ。エストーレは先月、イモラ・サーキットで行われた第2戦ではハイパーポールに進出し、予選10番手となった。
このフランス人ドライバーのスパでの予選は、6号車ポルシェがターン11の出口でわずかにコースアウトし、右リヤのボディワークを破損したことで終わりを迎えた。エストーレは次のように説明した。
「ハイパーポールに進出するために必死でプッシュしていたところ、グラベルにホイールを落としてしまった。テールはとくに脆い部分があるんだ」
「ホイールが落ちた際、砂利がテールを掴んでその部分を壊してしまった」
「とにかく、ラップタイムは充分なものではなかった。正直に言って、本当にフラストレーションが溜まっている。ペースが足りない。とくに予選では顕著だ」
「今週末のレースペースは、これまで見た限りではそこまで心配していない。1位とはいかないまでも、まあまあといったところだ。しかし、予選では明らかにペースが足りていない。今年に入ってからずっとだ」
「正直に言うと、少し心配している。他のチームほどパフォーマンスを引き出せない原因が、一体どこから来ているのかよく分かっていないためだ。すべてを分析しなければならないが、他のチームが昨年と比べて大きな進歩を遂げているのは間違いないだろう」
エストーレは、土曜日の6時間レースにおけるポルシェの勝算について、やや楽観的な見方を示し、カタールとイモラでの過去2回のレースと比べて、ドイツメーカーが跳ね馬に「より近づいている」と述べた。
イモラでは、エストーレ/ローレンス・ファントール/マット・キャンベル組は総合8位でフィニッシュし、6号車ポルシェのクルーにとって今シーズン最高のフィニッシュとなった。
注目すべきは、キャンベルが今週末ラグナ・セカで開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するため、ポルシェはエストーレとファントールのチームメイトとして現ABB FIAフォーミュラE世界チャンピオンのパスカル・ヴェアラインを起用していることだ。
「今朝のフリープラクティス3回目(FP3)で他のチームの予選シミュレーションを見たが、昨日の僕たちよりもかなり速かった印象だ。だが、決勝レースではもう少し接近できると考えている」と彼は語った。
「今朝と昨日のプラクティスでのロングランを見る限り、トップ5に入れる可能性がありそうだ。少なくともそのあたりには来ているように思う」
「実際には他のチームの燃料搭載量やタイヤの使用状況が分からないので、何とも言えないが、それでもイモラよりも近いところにいると思うし、カタールよりも差が小さくなっているのは確かだ」
[オートスポーツweb 2025年05月10日]