ジョアン・ミル、ルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)/2025MotoGP第6戦フランスGP 5月10日、2025年MotoGP第6戦フランスGP MotoGPクラスのスプリントがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、ホンダHRCカストロールのジョアン・ミルは9位でポイント獲得、ルカ・マリーニは12位でフィニッシュした。
青空の下、日差しがあるものの朝は初日と同様に冷え込み、路面温度は13度と低い。フリー走行2回目では、ホンダファクトリーのふたりは、前後ソフトタイヤを選択した。ミルは最後まで同じタイヤセットを使用し、マリーニは、後半にフロントをミディアム/ソフトの組み合わせと試した。最終的にこのセッションでは、マリーニが10番手、ミルが12番手となった。
続く予選は、全ホンダ勢がQ1からQ2進出に挑む。マリーニとミルは前後ソフトを選択し、1度目のアタックへコースインした。しかし、フライイングラップに入る前に他ライダーが転倒し、マシン回収のために赤旗が出されてしまったためノータイムとなってしまった。
セッション再開後は、両ライダーともリヤタイヤを新品のソフトに変えて仕切り直し。最後まで連続でアタックを行ったものの、ミルが1分30秒479で5番手、マリーニが1分30秒505で6番手でチェッカーが振られた。ふたりともにトップ2まで0.1秒以内であり、惜しくもわずかな差でQ2進出は叶わなかった。スプリントと決勝レースは、ミルが15番グリッド、マリーニが16番グリッドからのスタートが決まった。
2日目の午後も初日と同じように暖かくなり、路面温度は30度を超えた。スプリントレースは13周。スタートでは、マリーニがミルの前に出るものの、序盤は激しいバトルで毎周順位が変わる状況だ。さらに上位ライダーの転倒が相次ぎ、ミルが11番手、マリーニが14番手で5周目に入る。
ミルは、6周目にエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)をオーバーテイクして10番手に浮上する。ポイント圏内まであとひとつだが、前方のライダーは1秒以上先だ。後方を引き離しながら残り2周で1秒未満まで差を詰めるも、以前として追い抜くには遠く入賞は厳しいと思われた。しかし、ラストラップの最終コーナーで上位ライダーが転倒。10番手を維持していたミルはその恩恵を受け、9位でフィニッシュして貴重な1ポイントを獲得した。
マリーニは、前方のジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)と追い上げてきた小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)の三つ巴のバトルを展開する。だが、3者とも決定打に欠け、およそ8周にわたってこの状況が続く。終盤は上位ライダーのペナルティと転倒により、2つポジションを上げるも、目の前のミラーを攻略することができず、12位でチェッカーを受けた。
ホンダ勢においては、11番手スタートのヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)がスプリントで6位フィニッシュと上位に食い込み、4ポイント獲得。ワイルドカード参戦の中上貴晶は、2024年最終戦ソリダリティGP以来のレースとなったが、16位と無事完走を果たしてチームに多くのデータをもたらした。
ミルはこれで今季4度目のスプリントで入賞と、2024年と比べても今シーズンのホンダは中団で戦える力を見せており、着実な進歩を示している。およそ倍の距離で争う決勝レースでは、両者とも追い上げてより上のポジションを得ることができるのか。中上も決勝ではレースに集中すると語っており、日曜日のホンダ勢に期待が高まる。
ジョアン・ミル(予選:15番手、スプリント:9位)
「今日はスプリントで何とか挽回できたよ。昨日は多くの実験に費やしたけど、今日はこれまで使ってきたセッティングに戻したんだ。それが予選で最後のコンマ1秒を見つけるのを少し難しくしたかもしれない。とてもタイト戦いだったから、結果に響いてしまった」
「スプリントでのペースには満足しているけど、後方スタートだとすぐに先頭グループから離れてしまう。クリアな走行ラインが取れるようになってからは、自分とホンダのポテンシャルをより発揮できたし、ラップタイムも1分31秒中盤で良いペースだった。今日はきちんとチェッカーを受けるために、少し余力を残して走り切ったよ。明日はこのセッティングの方向性であと数コンマ詰められれば、もっと上位に近づけると思う」
ルカ・マリーニ(予選:16番手、スプリント:12位)
「今日は僕の日ではなかった。千分の数秒差でまたチャンスを逃してしまった。予選では、Q2に進めなかったことで、スプリントのスタートで不利な展開になってしまい、序盤から挽回するのが大変だったし、最初の数周は、後方で起きるすべての接触やアクシデントに巻き込まれていたような感じだった」
「不運なだけだけど、予選の重要性がよく分かる1日になったよ。自分のペースをしっかり発揮できなかったけど、ポテンシャルはしっかりとあると感じている。マシンのフィーリングはとても良いから、明日はもっと良いスタートを切りたい。日曜日はみんな少し冷静になるからね。これまでも改善を重ねてきたように明日もさらに良くできるはずだし、目標はこれまでのレースからの流れを維持することだよ」
[オートスポーツweb 2025年05月11日]