ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)/2025MotoGP第6戦フランスGP 5月11日、2025年MotoGP第6戦フランスGP MotoGPクラスの決勝レースがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)が優勝を飾った。小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は10位、ワイルドカード参戦の中上貴晶(ホンダHRCテスト・チーム)は6位でフィニッシュした。
初日と2日目は晴れていたが、日曜日は朝までに雨が降り路面はウエット。天候が曇りのなかウォームアップ走行が始まった。
タイヤは全車がレインを履いてコースインしていき、時折コースアウトするライダーが見られたが、ラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)が転倒。残り1分を切るとアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)も2コーナーでスリップダウンをしてしまった。
3コーナーのイン側にマシンが残ったことでセッションは4秒残して赤旗となり、そのまま終了。トップタイムはジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)、2番手はマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)、3番手はフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)だった。
Moto3とMoto2の決勝レースの間に路面は乾き、気温18度、路面温度は24度でMotoGPクラスの時間となる。曇り空だったのだが、サイティングラップの前に小雨が降りだし状況が変わる。
今大会の欠場者はソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)、ホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)の2名だが、マルティンの代役はロレンツォ・サバドーリが務める。
予選では母国グランプリのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)がポールポジションを獲得。フロントロウはマルク・マルケスとアレックス・マルケス。2列目はフェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)、マーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が並んだ。
グリッドに着いた後には小雨と宣言されて、タイヤ選択を悩むライダーが話し合いを行っている。また、ピットレーンにはレインタイヤを履いたTカーが並べられた。
レース前のウォームアップラップでは、全車がスリックタイヤで走るがタイヤを滑らせる場面も見られるため、路面は濡れている状態だ。ホワイトフラッグが振られており、全ライダーがピットに入り、レインタイヤを履いたマシンに乗り換えるなか赤旗が振られてレース開始が遅れた。
27周のレースは1周減算となり26周に変わり、ウエットレースの宣言がなされる。現地時間14時08分にピットがオープンとなるとウエットタイヤでコースインするが、グリッドは9台のみ。その他のライダーはピットに入りスリックタイヤのマシンにまた乗り換えてウォームアップラップが始まる。この際にピットに入ったライダーは、新レギュレーションによりダブルロングラップペナルティが科される。
26周のレースが始まると、マルク・マルケスがホールショット、2番手にクアルタラロが続く。後方ではエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)がバニャイアに当たり両者転倒。ミルはザルコにぶつかり転倒するが、ザルコはコースアウトの後に復帰している。
オープニングラップの最後にルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール)、マルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)、アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)、バニャイアがピットに入りスリックタイヤのマシンに乗り換える。2周目の11コーナーではアレックス・マルケスがマルク・マルケスを抜き、2番手に上がる。3周目にはクアルタラロがロングラップペナルティを消化して5番手に落ちた。
4周目も多くのライダーがロングラップペナルティを消化。トップからマルク・マルケス、クアルタラロ、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)のトップ3となるが、最終コーナーでクアルタラロとビンダーがスリップダウン。マルク・マルケス、アレックス・マルケス、ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)のトップ3となる。なお、クアルタラロはレース復帰を諦めた。
アコスタとビニャーレスは再度ピットに入りレインタイヤのマシンに乗り換える。6周目はバスティアニーニが転倒。12コーナーでモルビデリもクラッシュした。この周の終わりにはマルケス兄弟がピットインしてレインタイヤのマシンに変更する。
トップからアルデグエル、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)、サバドーリ、小椋のトップ4に。また、ビンダーは再度転倒しておりレースから離脱した。
8周目はザルコ、ミゲール・オリベイラ(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)、マルク・マルケスのトップ3に。上位だったライダーもピットに入りレインタイヤを選択。また、ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)はリタイアを選択している。
9周目は先頭がザルコ、約8秒差でマルク・マルケス、アレックス・マルケスが続き、2番手だったオリベイラは4番手に下げた。12周目にはザルコとマルク・マルケスの差が9秒に開き独走状態を維持していく。
レース折り返しに入ると、先頭からザルコ、マルク・マルケス、アレックス・マルケス、アコスタ、オリベイラ、ビニャーレス、アルデグエル、中上、ラウル・フェルナンデス、サバドーリのトップ10となる。14周目には首位ザルコは後続に10秒差をつけて、その後もさらにギャップが広がるが、雨が強くなっていく。
15周目にはビニャーレスがオリベイラを抜き5番手、18周目にはアルデグエルも抜き6番手に浮上した。その後、20周目にオリベイラは最終コーナーで転倒してしまった。さらに21周目にはアレックス・マルケスが3コーナーで転倒するが6番手で復帰する。
残り5周、先頭からザルコ、マルク・マルケス、アコスタ、アルデグエル、ビニャーレス、アレックス・マルケス、中上と続く。ザルコと2番手のマルク・マルケスとの差は15秒以上だ。残り3周にはアレックス・マルケスが再度転倒してリタイアした。
ファイナルラップには20秒差をつけたザルコが母国のフランスGPで勝利を飾った。ザルコにとっては2023年の第16戦オーストラリアGP以来、自身2度目、ホンダでは初優勝を飾ったことになる。
ドゥカティの連勝は22でストップ。過去にはホンダの連勝記録も22回続いたため、ドゥカティの連勝記録は1位タイ記録となった。
2位はマルク・マルケス、3位はアルデグエル、4位はアコスタ、5位はビニャーレス、6位は中上、7位はラウル・フェルナンデス、8位はディ・ジャンアントニオ、9位はサバドーリ、10位は小椋となった。
[オートスポーツweb 2025年05月11日]