今季限りでリヴァプールを退団するA・アーノルド [写真]=Getty Images リヴァプールOBの元イングランド代表DFジェイミー・キャラガー氏が、本拠地『アンフィールド』でブーイングが浴びせられた同代表DFトレント・アレクサンダー・アーノルドに言及した。11日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えている。
6歳の頃からリヴァプールのアカデミーに所属していた現在26歳のA・アーノルドは、2016年10月に18歳でプロデビューを飾って以降、右サイドバックの主力として活躍し、公式戦通算353試合出場で23ゴール92アシストを記録してきた。しかし、今月5日に契約満了に伴い、今シーズン終了をもって同クラブを退団することが正式に発表されており、今夏にはフリーでレアル・マドリードに加入すると見られている。
そんななか、A・アーノルドは11日に行われたプレミアリーグ第36節のアーセナル戦(△2−2)で、退団発表後に初めて本拠地『アンフィールド』での一戦を迎え、67分から途中出場を果たしたが、ピッチに立った際やボールを触った際には観客からブーイングが浴びせられる事態となった。
本拠地で異例の雰囲気となった試合後、キャラガー氏は「これがこの試合の物語だ。試合後にはあらゆる新聞の裏面でもこの話題が取り上げられるだろう」と注目される事態となったことを認めつつ、サポーターの反応に驚いたことを明かした。
「こんなにブーイングが多いことに驚いている。私としては赤いユニフォームを着て、トロフィーを獲得した選手がブーイングを受けるべきだとは思わない。自チームの選手がプレーしている時にブーイングするのは私にはできない」
「あれ(ブーイング)は行き過ぎだった。これが彼の最後のパフォーマンスになる可能性もあった。リヴァプールにサーカスは必要ないから、それが正しいことだったのかもしれない。でも、トレントに不満があるなら、コナー・ブラッドリーかスティーヴン・ジェラードの名前を歌えばいい。全国のサポーターからリヴァプールサポーターに対する批判を浴びることになるのだから、選手にブーイングしてはならない」
また、同僚のスコットランド代表DFアンドリュー・ロバートソンも「この件には多くの感情が絡んでいる。こういう時こそ、僕がどう感じるべきか、そしてあなたが僕にどう感じるべきかを指図しないことが不可欠だ。僕にできるのは、自分の気持ちを伝えることだけだ」と語りながら、A・アーノルドの決断を尊重しつつ、ブーイングについても次のように言及した。
「まず第一に、最高の仲間を失い、とても残念だ。試合ではすべてを共に成し遂げてきた。彼は素晴らしい選手であり、人間でもある。彼のおかげで僕はより良い選手になった。それは心からの喜びだ。彼は僕を自分の知らなかったレベルへと導いてくれた。良い時期を通して彼は励まし続けてくれた。そして彼は決断をしたんだ」
「彼がこのクラブに残した功績は紛れもなく目の当たりにすることができる。彼が勝ち取ったトロフィー、歴史に刻まれた瞬間は永遠に僕たちの中に残るものだ。これは感情的な決断でもある」
「トレントにとってこれは決して容易なことではなかった。もちろん、そうではなかったけど、彼は決断を下した。友人がブーイングされることは決して良いことではない。しかし、先ほども言ったように、他人の行動を指図することはできない」
「このことについて気持ちを言葉で表現することはできないけど、彼を心から誇りに思っている。選手としても、友人としても、彼を愛している。最高の友人の一人だった彼がいなくなるのは寂しいことだ」
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