詩人の谷川俊太郎さんのお別れの会で設けられた祭壇と遺影=12日午後、東京都千代田区 昨年11月に92歳で亡くなった詩人、谷川俊太郎さんの「お別れの会」が12日、東京都内で開かれ、親交の深かった詩人や作家ら関係者約560人が足を運んだ。
柔らかな笑顔の遺影が飾られた祭壇は、谷川さんの自宅の庭のイメージからアジサイの花で彩られた。創作用のパソコンなども並べられ、「さよならは仮のことば」という自作の詩を朗読する谷川さんの映像が流された。
作家でエッセイストの阿川佐和子さんは「(谷川さんの両親は)私の両親の仲人のような存在だった。谷川俊太郎の遠い親戚というのを自慢に生きてきた」と語った。詩人の吉増剛造さんは「宇宙のちりが砕ける音が聞こえるような瞬間瞬間、詩の稲妻を重ねた。天才というよりも、桁外れの人だった」と故人をしのび、対談を続けたコピーライターの糸井重里さんは「言葉は不滅で素晴らしいけど、せっかくこの世で出会ったんだから一度抱き合いたかった」と別れを惜しんだ。

詩人の谷川俊太郎さんのお別れの会=12日午後、東京都千代田区

詩人の谷川俊太郎さんのお別れの会で故人をしのぶ作家でエッセイストの阿川佐和子さん=12日午後、東京都千代田区