信頼は足元から──雨の日に差がつく「靴ケア」の習慣
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2025年05月13日 07:30 JIJICO

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雨の日が続くと、なんとなく全体的に疲れて見える。
それは湿気のせい?気圧のせい?──いえ、もしかすると、足元の「靴」に原因があるかもしれません。
革靴、ヒール、スニーカー。
それぞれの素材と形状には特徴があり、湿気や水気への耐久性も異なります。
それにもかかわらず、天候を問わず毎日同じ靴を履き続ける人は少なくありません。
けれど、足元が整っているだけで、印象は驚くほど変わります。
靴の状態は、単なるファッションではなく、“信頼”や“仕事の丁寧さ”を示す名刺のような存在です。
梅雨のように雨が続く季節は、とくに「靴」が人の印象を左右する比重が高まります。
お気に入りのパンプスや革靴も、一度しっかり濡れてしまえば、
その日は一日中、足取りも表情もどこか疲れて見えるもの。
それは履き心地や気分だけでなく、周囲に伝わる“清潔感”や“丁寧に扱われている印象”に直結します。
靴の素材は想像以上に繊細です。
革靴やヒールには、革・紙・接着剤などが使われており、湿気にとても弱い。
スニーカーもまた、湿気がこもればソールが傷み、菌が繁殖しやすくなります。
さらに、人は1日にコップ1杯分(約200ml)の汗を足裏からかくとされます。
雨の日はその上に湿度が加わるため、靴の中はまさに“密閉された雑菌温室”。
においや疲れ、肌トラブルの原因を、自らの習慣で生み出してしまっているかもしれません。
そこで取り入れたいのが、“ローテーション”という考え方。
1足だけを連続して履くのではなく、「同じモデルを2足持つ」「予備を用意する」ことで、靴に休む時間を与える。
濡れた靴を乾かしながら使うだけで、見た目の印象も履き心地も変わってきます。
また、毎日同じ靴を履き続けることは、見た目の劣化だけでなく、身体への負担にもつながります。
靴の形状やクッション性の劣化は、知らず知らずのうちに足や腰への影響を与えることも。
さらに重要なのが「帰宅後のケア」です。
湿気がたまりやすい玄関は、靴にとって最も過酷な場所のひとつ。
風通しのよい室内で一晩乾かし、使わないタオルを中に詰めて湿気を吸収させる。
靴の下にもタオルを敷いて床からの湿気を防ぐ──
それだけでも、靴の寿命と清潔感は大きく変わります。
防水スプレーやレインシューズも、雨の季節には強い味方です。
突然の雨や不安定な天候のなかで準備ができている人は、
それだけで「段取り力がある人」「気配りのできる人」として見られるもの。
これは“見た目を守る技術”ではなく、“信頼を伝える日常習慣”です。
清潔感とは、洗いたての服や髪型だけでは測れません。
「どこまで気を配っているか」という整えの習慣が、その人の文化レベルを静かに物語ります。
そして足元がきちんと整っている人には、自然と信頼が集まる。
目立たない場所に心を配れる人は、「きっと仕事も丁寧だろう」と想像させるからです。
天気は選べません。
でも、靴の準備とケアの習慣は、自分で選ぶことができます。
足元を整えることは、ただ“見られるため”ではなく、“信頼を育てるための所作”です。
(上野 由理・美脚専門家)
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