電車で「席が空いているのに、わざわざ目の前に立つ男性」に恐怖。声をかけても無視されて…

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2025年05月13日 16:21  日刊SPA!

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※写真はイメージです
 移動に欠かせない交通手段のひとつである電車。しかし、通勤や通学の時間帯は混雑するため、殺伐とした雰囲気がある。車内では譲り合いの精神を持って、お互い気持ちよく過ごしたいものだ。
 今回は、乗客のマナーに対して怒りを感じた2人のエピソードを紹介する。

◆妊婦に席を譲らず“気づかないフリ”をした人たち

 田中健一さん(仮名・30代)の妻は妊娠8か月で、お腹が大きくなり明らかに“妊婦”とわかる体型。少し歩いただけでも息が上がるような時期だった。

「そんな状態で、毎日電車で職場まで通っていました。通勤時間帯は、当然、混雑していて、いつも席は埋まっていたんです。妻は、優先席の前に立ち、“マタニティーマーク”が見えるように立っていました」

 しかし、座っている誰一人として席を譲る様子はなかったそうだ。明らかにマタニティーマークに気づいているはずだが、スマートフォンを見たり眠っているフリをしたり……“気づかないフリ”を全員が演じていたという。

「妻は、その人たちの白々しい顔を今でも鮮明に覚えていると話していました」

 ただし、田中さんの妻の経験はそれだけではなかった。

◆“マタニティーマーク”を付けていても無視される現実

 ある駅で電車が止まり、妻の前に座っていた男性が降りた。「ようやく座れる」と思った瞬間、隣に立っていた中年男性が、間髪入れず、“その空いた席”に滑り込んだのだ。

「男性は素知らぬ顔で席に座り、寝たフリをしたそうです。『時間が止まったような気がした』と言っていました」

妻は、無言で席に座った男性に、「いや、お前ちゃうやろ! なんでやねん!」と心のなかで叫んだという。

 誰もが一度は見たことがあるだろうマタニティーマークだが、電車の優先席の前で、しかもわざわざ見えるようにぶらさげているにもかかわらず、“無視される現実”に呆れたそうだ。

◆混雑していないのに目の前に立つ男性

 戸川佑樹さん(仮名・40代)が電車に乗っていると、スーツを着た男性が乗り込んできた。

「彼は一見“普通”のサラリーマンでしたが、違和感がありました。なぜかその場にいる全員に圧をかけているような態度だったんです」

 電車は混雑しておらず、空席も目立っていた。それでも男性は、戸川さんの前に立った。

「私は足元にカバンを置いていたものの、足を広げているわけではありませんでした。なぜ、わざわざ私の前に立つのか理解できなかったし、恐怖さえ感じました」

 そして、戸川さんがもっともイラっとした瞬間が訪れた。

「男性が足元に置いてあった私のカバンを蹴飛ばしたんです。カバンが私の足元に勢いよくぶつかって、驚きとともに腹が立ちました」

 男性は、「すみません」とだけ言い、反省をしている様子は一切見られなかったという。我慢できなかった戸川さんは、男性に声をかける決心をした。

◆注意をしても知らんぷり

「あの、カバンを蹴らないでください」

 男性はチラッと戸川さんを見たあと、目をそらしてスマートフォンをいじり始めたのだとか。

 戸川さんは、腹の底から湧き上がる怒りを抑えられず、普段は口にしないような言葉を発していたという。

「あなた、周りが見えていませんよ。迷惑です」

 男性はその言葉に少しだけ顔をしかめ、冷たく「すみませんね」と言っただけだった。再びなにもなかったかのように戸川さんの前に立ち続けた。周りの空気は重くなっていた。

「男性がなぜ私の前にいたのかは結局わかりません。男性が電車を降りた瞬間、私には不快感が残り、一日を台無しにされたような気分でした」

 電車では個人のマナーが大いに問われる。だが、不快に感じても声をあげにくい空気があるのは事実だ。自分の何気ない行動が周囲の迷惑になっていないか、あらためて意識する必要があるだろう。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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