スノーボード・アルペン女子の三木つばき(21=浜松いわた信用金庫)が、表彰、スピーチ、衣装の全てで存在感を示し、スキー界の注目度アップを願った。
14日は都内で開かれた全日本スキー連盟の24〜25年シーズン表彰式に出席。2季ぶりの最優秀選手賞に輝いた。
ノースリーブの黒のドレスで登壇し「今回は背中がパックリ開いているところがポイントで、身長の高見せで(クリスチャン・)ルブタンを履かせてもらいました。高さは6センチぐらいあって、私の身長が173センチなので、大体180センチぐらい(の高さ)になりました。(式に)呼んでいただいているので、少しでも貢献できたらと思いました。ドレスや着物も、こういった場所でしか着られない貴重な経験なので、すごくうれしいです」と振り返った。
今季の世界選手権は非五輪種目のパラレル回転で男女通じて日本勢初優勝、五輪種目のパラレル大回転2位。日本勢初のW杯総合優勝を飾った。
この日は優秀選手賞を皮切りに、KOSE「Action for the Future Award」、最後の最優秀選手賞と3度にわたって登壇した。
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そこでは紙を手にすることなく、立て板に水のスピーチで思いを伝えた。
スピーチ全文は以下の通り。
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◆優秀選手賞
本日は、このようなすてきな賞をいただきまして、本当にありがとうございます。
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スノー・アワードで優秀選手賞を初めて受賞させていただいた時、私は17歳でした。
その時はワールドカップでベスト8進出を目標としていましたが、そこから4年の月日がたち、日本スキー連盟を通して応援してくださるスポンサーの皆さまをはじめ、たくさんの方に応援、そしてこの競技を知っていただくことができ、本日ワールドカップでの総合優勝と、世界選手権での両種目メダル獲得を皆さまにご報告できたこと、とても誇りに思います。
来シーズンはいよいよミラノ冬季五輪が開催されます。私の最大の目標でもあるオリンピック優勝を、必ず実現できるよう、そして皆さまの元に金メダルをお持ちし、触っていただけるよう頑張りたいと思いますので、今後とも引き続き、ご支援、ご声援のほど、よろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。
◆KOSE「Action for the Future Award」
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毎年させていただいてる活動(地元の学校訪問)を、このような形で評価していただきまして、本当にありがとうございます。
私の地元は静岡県なのですが、この地域では3〜4年に1度しか雪が降らず、地元でスノー競技を楽しむことは、残念ながらできません。
しかし、小さい時から私の活動を、そして競技を知って、理解して、応援してくださる静岡県の地元の皆さまの中には「私もスノーボードやってみよう!」という方が、とても多くなりまして、今でも地元に帰ると、どこに行っても「つばきちゃん、頑張ってね」と言っていただきます。
そんな地元静岡が私は大好きですし、そんな方々に支えられて、この活動も成り立っています。
そういった形でできた経験、私が培わせていただいた経験を、今度は地元の小学校、中学校の皆さんにお伝えしていきたい。夢と目標ということをテーマに、毎年、講演をさせていただいていました。
今は地元になりますが、いずれは全国の小学校、中学校の皆さんに、お話を聞いてもらって、私の活動や話から、何か自分のこれからの人生設計のヒントになるものや、私の話を聞いてもらうことで、もし「未来が変わった」という子が現れたら、そんなにうれしいことはないなと思います。
そういった子どもたちと一緒に、日本の未来をつくっていけたら、持続可能な社会をつくっていけたらと思っています。
来シーズン開催されますミラノ冬季五輪は、テレビでも放映していただけます。私の滑りを実際に見ていただいて、戦っているところを見ていただいて、そして勝っている姿も見てもらって「雪の降らない静岡からでも、スノー競技で世界一になれるんだ」ということ。難しいと思える状況や、一見、諦めないといけないと思える状況でも、自分の思いをしっかり貫いて、それを周りの方に伝えて、支えてくださる方が増えれば、必ず夢は現実になるんだということを、背中で、そして講演という形を通して、今後もお伝えしていければと思います。
私自身もまだまだ未熟ですので、今後も精進してまいりたいと思います。
本日は本当にありがとうございます。
◆最優秀選手賞
本日、何度も登壇をさせていただいて「見慣れた顔だな」と思っていらっしゃるかもしれませんが、私はお世話になった皆さまに何度もお礼をお伝えできて、とてもうれしく思います。
前回の世界選手権の時も優勝を高く評価していただいて、最優秀選手賞というすてきな賞をいただきましたが、今年は世界選手権とワールドカップの総合優勝も含めて評価していていただきまして、本当にありがとうございます。
前回の最優秀選手賞を受賞させていただいた時、ごあいさつで皆さまに「世界選手権で優勝はできましたが、ワールドカップというところに焦点を当てると、全11戦中1度しか表彰台に上がることができず、まだまだ自分の未熟さを痛感した」「来シーズンに向けて、もっと成長していきたい」とお伝えしたのを、今でも覚えています。
そこから2年がたち、日本スキー連盟を通して、ご支援いただいているスポンサー、サプライヤーの皆さまをはじめ、日本スキー連盟のスタッフの皆さま、そしてメディアの皆さま、関係者全員の方に支えていただいて、今季こういった結果を皆さまの前に持って帰ってくることができたこと、とても光栄に思います。
そして何度もごあいさつでお伝えさせていただいているのですが、来年2月にミラノ冬季五輪が開催されます。私も日本代表選手として、日本でオリンピックを待ち遠しくしてくださっている国民の皆さまの前で、最高の滑りをお見せできたらと思いますし、私だけでなく、日本スキー連盟所属の選手全員で、そしてここにいてくださっているスポンサー、サプライヤーの方々、日本スキー連盟のスタッフの方々、その他関係者の方々全員で、来シーズンのオリンピック、そしてオリンピックイヤーを盛り上げていけたらと思っています。
メディアの皆さまも、ぜひ、日本スキー連盟所属の選手の活躍を、たくさん報道していただけたらうれしいです。大谷(翔平)選手にも負けない活躍を、来シーズン、ぜひいっぱい持って帰ってきたいと思います。
全員で一丸となって、来シーズンを最高のシーズンにしていきましょう。
本日は本当にありがとうございました。【松本航】
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