
今回は、年金を繰り上げした場合の厚生年金保険料の支払いについての質問です。
Q:年金を繰り上げ受給しながら、厚生年金保険料を支払えますか?
「年金を繰り上げ受給しながら厚生年金保険料を払うことはできますか?」(スマイルさん)A:年金を繰り上げ受給しても厚生年金保険料を払うことはできます
結論から言うと、年金を繰り上げ受給しても会社員やパートなどで働き、厚生年金保険料を払うことはできます。60歳以降、繰り上げ受給して受け取る老齢厚生年金は、65歳になった時に厚生年金加入の年金記録をもとに再計算されます。65歳以後も厚生年金保険料を支払う場合は、毎年10月に前年9月から当年8月までに支払った保険料が老齢厚生年金額に反映されます。そのため厚生年金の加入期間が長くなるほどもらえる老齢厚生年金は多くなります。
ただし、繰り上げ受給には老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰り上げしなくてはならず、繰り上げた期間に応じて一生涯、年金が減額されてしまいます。さらに国民年金の任意加入や保険料の追納もできなくなり、繰り上げ請求した日以後は、事後重症(障害認定日には基準に該当しない障害状態の場合、その後障害の状態が重くなること)などによる障害基礎(厚生)年金を請求できないなど、さまざまなデメリットがあります。繰り上げした場合のデメリットについては、事前によく把握されるといいでしょう。
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監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)