株は「5月に売って9月に買うといい」って本当?

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2025年05月16日 11:30  All About

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アメリカ株には「5月に売って9月に買え(Sell in May and go away. But remember to come back in September)」という相場格言があります。コレは日本株にも有効なのでしょうか?
アメリカ株には「5月に売って9月に買え(Sell in May and go away. But remember to come back in September)」という相場格言があります。

この相場格言は日本でも有名ですが、日本株にも有効なのでしょうか?

株は5月に売って9月に買うといい?

早速調べていきましょう。日本株を「5月に売って9月に買う」と利益につながるかどうか、過去の価格データを集計して調べてみます。

本記事では、野村アセットマネジメントの上場投信である「NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信<1321>」が、5月から9月にかけてどのように値動きしているかを調べてみました。

2004年から2024年までの21年分の価格データを集計した結果、以下の結果が得られました。画像のグラフをご覧ください。
5月に売って9月に買った場合

これは、日経平均株価連動型ETF※の累積リターン(単利)を集計したものです。

相場格言に従って「5月に売って9月に買う(順序的には9月に買って5月に売る)」場合と、逆に「5月に買って9月に売る」場合とで、どんな成績だったかを調べました。

※ETFとは上場投資信託のこと

グラフを見れば分かるように、5月から9月にかけては同ETFは値下がりしました。一方、9月から5月にかけては同ETFが値上がりしたことが分かります。

この一因には、このETFは7月に分配金の支払いがあります。これは株式投資でいう配当金みたいなものなのですが、分配金の支払い直後に評価額が下がることもよくあるからです。

とはいえ、日経平均株価の配当利回りはせいぜい2〜2.5%ですから、仮にそれを加えて考えたとしても、5〜9月は上がりにくい時期だったように見えます。

夏枯れに要注意

ちなみに日本株の場合、特に7〜8月に株価が下がる傾向があります。これを「夏枯れ」と言います。

夏枯れが起きる原因は諸説ありますが、(1)6月に配当再投資のピークが来ること、(2)6月は夏のボーナスによる投資のピーク期でもあること、という2点から、夏休みに入って急激に資金流入がやみ、株価が下がるのだと筆者は考えています。

参考までに、夏枯れ相場(7〜8月)の日経平均株価の成績も集計しました。63年分のデータを調べたので、より長期の傾向が見て取れます。画像のグラフをご覧ください。
夏枯れ相場での累積リターン

グラフを見れば分かるように、日経平均株価は7〜8月に下がる傾向が見られました。

ですから、株を売るなら「7月あたり」、株を買うなら「9月あたり」をめどにするとよいかもしれません。

もちろん、この経験則が崩れる可能性もあるので、「参考程度」の判断材料として考えておくとよいかと思います。

文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)

18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。
(文:中原 良太(個人投資家・トレーダー))

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