KEY TO LIT・井上瑞稀ら、舞台『W3 ワンダースリー』出演者が“手塚世界と私”について語る!

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2025年05月16日 14:10  クランクイン!

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舞台『W3 ワンダースリー』出演者が参加した「手塚世界と私 〜W3ワンダースリーの出演者が語る〜」より  撮影:岡千里
 KEY TO LIT・井上瑞稀主演舞台『W3 ワンダースリー』の出演者が、「手塚世界と私 〜W3ワンダースリーの出演者が語る〜」と題し、語る会を開催。井上らのコメントが到着した。

【写真】KEY TO LIT・井上瑞稀、彩吹真央らが参加した「手塚世界と私 〜W3ワンダースリーの出演者が語る〜」会の様子

 原作『W3(ワンダースリー)』は、1965年〜1966年まで「週刊少年サンデー」に連載された漫画で、手塚治虫の目を通して地球の偵察に来た3人の宇宙人たちと少年星真一が、未来のためにできることは何かを考えさせてくれる作品だ。虫プロ初のテレビオリジナル作品としてテレビアニメ版も放送され、キャラクター1人に対し、専属担当がつくハリウッド方式で制作されたことでも知られている。テレビアニメ版は全52回を放送し、当時の子どもたちはみな夢中になった。

 この日本が世界に誇るマンガの神様・手塚治虫の名作を、若手ながらも数々の演出家から絶大な信頼を得ている福田響志の脚本、ミュージカル、ストレートプレイ、ノンバーバルパフォーマンスまで幅広く演出を手掛け東京2020 パラリンピック開会式の演出でも世界的に注目を集めたウォーリー木下の演出、ストレートプレイの音楽からミュージルの作曲まで多彩な活動で知られる和田俊輔の音楽で舞台化する。

 このたび、手塚プロダクションの協力のもと、「鉄腕アトム」や「ジャング大帝」のキャラクターが展示されている手塚治虫の聖地「手塚プロダクション」にて、本舞台の出演者が“手塚世界と私”について語る会を開催。星真一役の井上瑞稀、星兄弟の母・F6号役の彩吹真央、ランプ役の成河、演出・上演台本のウォーリー木下、そして、手塚プロダクション湯本裕幸が登壇した。

 参加した井上は、「手塚作品にしっかりと触れるのは今回の『W3』が初めてでしたが、連載されていた当初に伝えていた反戦のメッセージが今も同じ意味を持って伝わってしまうというのが悲しいなと思いました」とコメント。

 役については「僕が演じる真一は、すごく等身大で同世代の方が一番共感しやすいキャラクターだと思うので、真一がたどり着く答えに観た方が共感してくれたら嬉しいです。個人的には僕にすごく近い役だと思います。また、劇中でのパペットを使った演出はすごくリアルで愛らしいですし、衣裳も素敵なので、視覚的にも楽しんでいただけるのではないかと思います」と話す。

 また、「戦争に対して“よくないこと”と思っていても具体的に出来ることはあるのか、自分たちには止められないのではないかと他人行儀に考えてしまっていた部分を考え直すいい機会になりました」と語り、「まずは“考える”ことが大切だと思うので、作品を観た皆さんにもその時感じたことを考えて想像するきっかけにしてほしいです」とメッセージを寄せた。

 そして「この作品を観れば平和に一歩近づくことができると思いますし、間違いなく楽しんでいただける自信があるのでぜひ観に来てください」と本舞台をアピールした。

 舞台『W3 ワンダースリー』は、東京・THEATER MILANO‐Zaにて6月7〜29日、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて7月4〜6日上演。

※手塚治虫の「塚」は旧字体が正式表記

 ウォーリー木下、井上瑞稀、彩吹真央、成河、手塚プロダクション・湯本裕幸のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■ウォーリー木下/演出・上演台本

 8年前に一度『W3』を舞台化した際、“手塚先生がもしも舞台の演出をするなら?”という発想からノンバーバルで動きや演技、音楽など様々な表現を用いたミクストメディア的なパフォーマンスとして上演しました。その時に次やるならという構想も浮かんで、今年の『W3 ワンダースリー』の上演につながっています。

 戯曲に関しては“どうやったらこの地球から戦争をなくせるのか”ということを最初から最後まで考えながら書きました。登場人物たちがそれぞれの立場でそのテーマに立ち向かっていくので、空想から始まって観ている人がどんどん現実の世界に入り込んでいけるものになればいいなと思っています。何もない空間から言葉、音、身体が組み合わさって生み出せるマジカルなものが演劇ならではの魅力だと感じているので、その魔法をとても大事にして作っていきたいです。作品に残しているその明るさや救いのようなものをお客さんにも楽しんでいただきたいと思います。手塚先生のコマの隅に描かれている遊び心のような部分を演出で描くことで、そこから手塚先生の文体を演劇で表現できるのではないかと思っているので、ぜひ隅から隅まで、何度も観て新しい発見をしていただければと思います。

■井上瑞稀/星真一役

 手塚作品にしっかりと触れるのは今回の『W3』が初めてでしたが、連載されていた当初に伝えていた反戦のメッセージが今も同じ意味を持って伝わってしまうというのが悲しいなと思いました。僕が演じる真一は、すごく等身大で同世代の方が一番共感しやすいキャラクターだと思うので、真一がたどり着く答えに観た方が共感してくれたら嬉しいです。個人的には僕にすごく近い役だと思います。また、劇中でのパペットを使った演出はすごくリアルで愛らしいですし、衣裳も素敵なので、視覚的にも楽しんでいただけるのではないかと思います。

 戦争に対して“よくないこと”と思っていても具体的に出来ることはあるのか、自分たちには止められないのではないかと他人行儀に考えてしまっていた部分を考え直すいい機会になりました。まずは“考える”ことが大切だと思うので、作品を観た皆さんにもその時感じたことを考えて想像するきっかけにしてほしいです。この作品を観れば平和に一歩近づくことができると思いますし、間違いなく楽しんでいただける自信があるのでぜひ観に来てください。

■彩吹真央/星兄弟の母・F6号役

 宝塚歌劇で手塚先生の作品が初めて上演されたのが『ブラックジャック』と『火の鳥』で、そこに出演したのが私の芸歴の始まりでもありとてもご縁を感じます。また、宝塚を退団してからも『アドルフに告ぐ』という作品にも出演し、今回『W3』で4度目のご縁をいただけたことをありがたく思うと同時に、そのご縁を感じずにいられないという気持ちです。

 皆さんの想像力が今まで以上に活性化されて、その世界に没頭して観ていただける作品になるのではないかなと思うので、一緒に宇宙の会議に参加したり、宇宙旅行をするのが楽しみだなという気持ちでお稽古をしています。今回、複数の役を演じられることは役者冥利に尽きますし、その違いをすごく楽しんでいるので、皆さんにも違いを楽しんでほしいです。この作品では大きな宇宙から見たちっぽけな地球を見ることができます。ちっぽけな地球の中のいち家族やいち青年が争うということの愚かさを改めて感じる一方で、壮大な宇宙から見た地球がどれだけ素晴らしいのかということをぜひ感じて欲しいです。

■成河/ランプ役

 手塚作品に1番最初に触れた記憶は中学生だったと思います。中学校の図書館に唯一『火の鳥』のマンガが揃っていました。手塚作品は間口が広いので、すごく難しいことを優しく楽しく考える機会をいただけたと思っています。

 僕が演じるランプは、戦争を繰り返してきた人類のネガティブな歴史を背負わされたような役どころです。今回はなぜそうなったのかという過去も描かれます。1人で背負い込んで真っ暗になっている人間に光を当てられるかどうかという兄弟の話で、お客様も含めて皆でどう光を与えられるかというお話になると思います。

 どの層の方でもわくわくドキドキ興奮できるような、飽きさせない時間を送れると思いますので気軽に劇場に来ていただけたらと思います。

■湯本裕幸 /(株)手塚プロダクション ライセンス部 参与

 『W3(ワンダースリー)』は60年前に描かれたものなので、本当はこの物語古いよね、こんな設定あり得ないよねと言えるほど世界が変わっていると良かったのですが、その当時と現代も変わっていないのが悲しいです。

 今回の舞台『W3 ワンダースリー』の台本を読んで感じたのは、もっといじってくれて良かったのにという事(笑)。マンガに忠実に書いてくださっていると感じました。手塚自身も連載時、単行本などで、その時の流行りや言葉遣いなどの変化にあわせて出版する度に描き変えていたので、手塚が描きたかった本質さえ掴んでさえくだされば、現代の人達にわかるように書き替えていただく事は問題ないと思っています。

 6年前はノンバーバルで上演して今回は台詞がありますし、ランプがマンガよりフューチャーされていて原作とは違って描かれていますが、本質を決して崩していない面白い物語です。アニメとマンガはラストが違っているのですが今回の舞台のラストも違います。これで『W3』は3種類のラストができた事になるのでとても楽しみにしています。

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