◼︎5月13日付け週間漫画ランキング
1.アオのハコ(20)/三浦糀/集英社
2.僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age/堀越耕平/集英社
3.カグラバチ(7)/外薗健/集英社
4.極楽街(5)/佐乃夕斗/集英社
5.青の祓魔師(32)/加藤和恵/集英社
6.アオアシ(39)/小林有吾/小学館
7.赤髪の白雪姫(27)/あきづき空太/白泉社
8.名探偵コナン(107)/青山剛昌/小学館
9.1日外出録ハンチョウ(20)/上原求・新井和也ほか/講談社
10.逃げ上手の若君(20)/松井優征/集英社
参考:【写真】『1日外出録ハンチョウ』 レシピブック チャーハンやつみれ鍋などを忠実に再現
5月13日付けの日販調べ週間漫画ランキングからは、限られた休日を最大限楽しむ極意が詰まった、上原求・新井和也らによる『1日外出録ハンチョウ』(講談社)をピックアップ。福本伸行『賭博破戒録カイジ』の地下労働施設で登場した大槻を主人公にしたスピンオフ作品だ。
突然だが、俗世から隔絶された環境に閉じ込められ、24時間の休日と外出の許可が大金を払わなければ得られないとしたら、その休みで何がしたいか想像できるだろうか。美味しいものを食べたい、お酒を飲みたい、ショッピングしたい、様々な欲求と24時間という限られたタイムリミットへの焦りがせめぎ合い、「やりたい」よりも「やらなければ」とまるで義務のように感じてしまうことだろう。本作はそんな限られた休日を満喫する大槻の”充実した1日”を描いた作品である。
まず第1話では、大槻が24時間しかない外出時間でなんの変哲もない立ち食い蕎麦屋にて食を楽しむシーンがある。一見すると、ただただ食を楽しむグルメ漫画のようにも思えるが、彼の狙いは時間に追われるサラリーマンを肴に優越感に浸りながら優雅にビールと食事を楽しむこと。大槻は食にこだわるグルメであるのは間違い無いのだが、必ずと言っていいほど環境や時間にもこだわりを見せている。
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例えば、カレー欲が爆発すれば山に登り河原にてインドカレーと日本カレー、そして実家のカレーの3種を作ることに挑戦したり、秋になればサンマを食べるため囲炉裏で焼き上げる料亭へ足を運ぶ。娑婆にいられるのは24時間しかないにも関わらず、たった一食のためにそれ以外の時間のほとんどを昼寝に費やすことだってあるほどだ。
とはいえ、これらは休日を楽しむための一部に過ぎない。周りの目を気にせず海に飛び込んだり丸一日温泉施設を満喫したり、子供心も持ち合わせつつ大人だからこそ楽しい24時間を過ごしている。ページをめくるごとに、何度も羨ましいと思ってしまうだろう。
最新刊の大槻達はスパゲッティと呼ぶかパスタと呼ぶか、コーヒーは豆からかインスタントか、など「あるある」や「確かにこんな人いそう……」と思わせる共感ネタがふんだんに描かれている。ギャグ要素も多く、あっという間に読み進めてしまう本作を読んで、”大人”の休日を過ごしてみるのもいいだろう。
堀越耕平の『僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age』(集英社)は2位にランクイン。昨年大団円を迎えた本編最終話では、大人になった雄英高校ヒーロー課・1-A組の面々が描かれ、教師姿となった緑谷出久(いずく)が大きな話題を呼んだ。このファンブックの巻末には、5Pの胸がジーンとする描き下ろし読切が掲載されている。改めて1巻から読み返したくなるほどのインパクトを与える5Pは見逃すわけにはいかない。
5位には、2025年に連載15周年を迎えた、加藤和恵による『青の祓魔師』32巻が名を連ねた。昨年1月からおよそ7年ぶりとなるアニメ第3期の放送があり、少し間を空けて10月からは2クール連続のアニメ第4期も放送された。
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ケンカっ早く傷の絶えない奥村燐は、青い炎によって人間を大量に殺戮した魔神サタンの落胤だった。ある時、感情の高ぶりによりサタンから受け継いでしまった力が溢れ、養父である藤本獅郎が命を落とすきっかけを作ってしまう。悪魔、そしてそれらを祓う祓魔師の両陣営から睨まれることになった燐は、監視の名目、なにより本人の強い意志から祓魔師を目指すことにーー。サタンに恨みを抱える人々からの逆風を受けながらも、着実に祓魔師として認められながら成長していく物語だ。
サタンとユリ(燐の母)の出会い、”青い夜”に何があったのか、など過去の出来事も少しずつ明るみになり、32巻と長編に差し掛かり佳境を迎えつつある本作はメモリアルイヤーに相応しい盛り上がりを見せている。
10位は松井優征による『逃げ上手の若君』20巻(集英社)。最新刊では七難八苦もいいところ。主人公・時行は戦に破れただけでなく、武士達の不満を代表して後醍醐天皇に物申すと、天皇の怒りを買ったのか「ジュンサイ」に合うおかずを献上できなければ死罪となんともな無茶振りを振られることに。果たして時行はこのピンチをどう乗り切ったのか。
今週のランキングでもジャンプ作品が多数登場している。ジャンプ作品といえば『DRAGON BALL』の名前をあげる人も多いだろう。そんな『DRAGON BALL』の「連載40周年記念プロジェクト」が先日始動した。
鳥山明と40年来の親交があったという『電影少女』『I”s』の桂正和に始まり、今週のランキングにも登場している『僕のヒーローアカデミア』の堀越耕平、『青の祓魔師』の加藤和恵、『逃げ上手の若君』の松井優征、さらには『SLAM DUNK』の井上雄彦に『ONE PIECE』尾田栄一郎といった名だたる漫画家らがこのプロジェクトに参加。『DRAGON BALL 全42巻セット Double Cover Box』が、「ジャンプ」を代表する作家達による単行本カバー描き下ろしで発売される。それぞれの作家の持ち味が遺憾なく発揮され描かれた悟空達は、自宅の本棚に並べるだけでなく額縁に入れて飾りたくもなるだろう。
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話を戻して今週のランキング7位は、2015年、2016年にアニメ化されたあきづき空太による『赤髪の白雪姫』27巻(白泉社)。「あきづき空太デビュー20周年記念」として、「赤髪の白雪姫原画展」が各地で開催されてきたが、6月7日から7月6日にかけて名古屋・テレピアホールにて開催される名古屋巡回展をもってフィナーレを迎える。原画だけでなく、キャラクターが身につけている衣装の再現やアクリルスタンドなどが並ぶ。原作を読んでからいけば大興奮の1日となること間違いなしだろう。
※参考:日販「週間ベストセラー」
(文=瀬川隆芽)
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