捨てるはずだったアワビの殻を使った美しい作品を作る動画がYouTubeに投稿され話題に。奥ゆかしさを感じる仕上がりに称賛の声が多く寄せられています。
●余ったアワビの殻が大変身
投稿者は、とあるリスナーの活動記録さん。動画では、余ったアワビの殻を使い、螺鈿(らでん)細工を製作する工程を紹介しています。
まず、アワビの殻をサンポールに漬け込み、表面をわずかに溶かして真珠層を露出させる工程からスタート。その後、水でこすり洗いをすると、美しい真珠層が現れ、独特の輝きが姿を見せました。
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より真珠層を露出させるため、かまぼこ板をかぶせた紙やすりを使い、アワビの殻の表面(外側)を削っていたとあるリスナーの活動記録さん。しかし作業の途中で、特に手を加えていない内側のほうがより美しく、螺鈿細工に適していることに気づきます。
そこで外側の研磨は途中でやめ、内側を活用する方針に変更。殻をペンチで細かく割り、紙やすりで平らに整えていきました。
殻を並べるだけでなく、別の素材と組み合わせる方法を模索したとあるリスナーの活動記録さんは、紙やすりを使う際に土台として使用していた「紀文」のかまぼこ板に着目します。
表面にあった「紀文」の文字とロゴは彫刻刀で丁寧に削り取り、その空いた部分に割ったアワビの殻を一片ずつ埋め込んでいきます。
その際、殻の形状をロゴのサイズやカーブに合わせるため、各片を都度削りながら微調整を加えるという、繊細な作業も行っています。
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●かまぼこ板を有効活用
かまぼこ板全体に工芸用の漆を塗り、乾燥と塗り重ねを繰り返すこと約5回。表面は艶のある黒一色となりました。
その後、水をつけながら紙やすりで表面を丁寧に研磨。黒い漆が削れていくにつれて、内側に埋め込まれていたアワビの殻が少しずつ姿を現します。
さらに、クリア塗料を3回ほど重ねて塗布し、乾燥後には最終的な磨き仕上げをすれば、重厚感をまとった一枚の作品が完成。深みのある漆の黒と、アワビの殻が放つ虹色の光沢が美しく調和し、芸術的な仕上がりとなっています。
この動画には、「かっこぇーー!!」「きれいじゃのう」「こんな綺麗な紀文初めてです」「いきなり螺鈿細工にチャレンジってのはスゴイ。」「螺鈿の虹彩色と漆の黒は合いますね。なんか表札にできそうで良いですね」といった声が寄せられました。
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動画提供:とあるリスナーの活動記録さん
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