SNS上で注目を集めた投稿について、その背景をあらためて取材する「バズ投稿のウラ話」。今回は、2024年12月にX(Twitter)で話題になった「お札の不良品」について、投稿者のヒソカ・モロゥーさんにお話を聞きました。
●300枚の新紙幣から発見した“不良品”
話題になったのは、ヒソカさんが「不良品が見つかった」と公開した“新1000円札”の写真。2024年7月から発行開始された新紙幣の記番号を調査するため、銀行で300枚ほど両替した際に見つけたというエラー品です。
“不良品”だというその1000円札は、なんと角のひとつがはがれてめくれた状態! そのまま引っ張ったらお札がまっぷたつになってしまいそうな、ヒヤヒヤする見た目となっています。
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これは「メクレ」と呼ばれるエラー紙幣で、破けてめくれた紙に誤ってそのまま印刷してしまった場合に発生するものなのだそうです(参考:バイセル)。本来はチェックの段階ではじかれるため一般に流通することは少なく、コレクターの間では高値で取り引きされる場合もあります。
●レアすぎる紙幣に驚がく&うらやむ声
貴重なエラー紙幣を発見したこの投稿はXで大きな反響を呼び、約1945万回の表示数、約7万9000件の“いいね”を獲得するほど話題に。「ええぇぇ、びっくり」「こんなのあるんだ」と驚く人が続出し、「プレミア凄そう」「本当にあるのですね、欲しい…」とうらやましがる声も寄せられました。
ねとらぼでは、ヒソカ・モロゥーさんに発見の経緯やその後の状況についてお話を聞きました。また、今回見つけたエラー紙幣以外にも、貴重な古銭コレクションの写真を多数提供いただきました。
●予想外の反響にびっくり
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―― あらためて、該当のお札を見つけたときの状況を教えてください。また投稿した際にバズることは想定していましたか?
ヒソカ・モロゥーさん: 新札発行のニュースでAA-AA券(編集部注:初期に製造されたことを表す記番号)が注目されていたので、地元の銀行で製造進捗状況の確認も兼ねて300枚あまり両替して調べました。手に取って記番号を確認しながら数えていると1枚手に違和感を覚え、よく見たら角の部分がはがれていました。面白いと思い、Xに投稿しました。
予想外の反響で、バズって驚きました。大半が「すごいエラーだ」「お宝当てましたね」といった称賛や驚嘆の言葉でした。
―― その後、該当のお札について何か明らかになったことはありますか? また現在、該当のお札は引き続き手元にありますでしょうか?
ヒソカ・モロゥーさん: 自然剥離と人為的な「はがし」との違いが分かりました。自然剥離ははがれた面が毛羽立っていませんが、人為的はがしの場合、はがした面が毛羽立って不均等になっています。
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現物は現在も手元に保存しています。人為的はがしとの違いを説明するためにも、資料として大切だからです。
―― 他にも古いコインを収集されているようですが、特にイチオシのものや、最近のお気に入りなどあれば教えてください。
ヒソカ・モロゥーさん: 明治26年(1893年)に古泉家が作った泉譜の原品である和同開珎(銀銭)、昭和11年(1936年)に満州国で試作された壹圓見本貨(満州中央銀行奉天造幣廠 本位銀貨 壹圓試作貨)、Yahoo!オークションの雑銭ロットから掘り出した慶長小判の逆打などです。ちなみに、壹圓見本貨は現存1枚の珍品となっています。また、1枚の1万円札が完全に2枚に剥離したエラー札も持っています。
画像提供:ヒソカ・モロゥーさん
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