レース2のウイナーとなった32号車BMW M4 GT3エボ(チームWRT) 2025年GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第3戦ザントフォールト 5月16日から18日にかけて、オランダのザントフォールトで2025年GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)第3戦が行われ、ルトロニック・レーシングの96号車ポルシェ911 GT3 R(パトリック・ニーダーハウザー/スヴェン・ミューラー)がレース1のウイナーに。レース2はチームWRTの32号車BMW M4 GT3エボ(シャルル・ウィーツ/ケルビン・ファン・デル・リンデ)が制している。
第2戦ブランズハッチからスパ24時間の公式テスト、そしてこのザントフォールトと慌ただしい5月を過ごしている2025年シーズンのGTWCヨーロッパ。第3戦は前回ラウンドと同様にスプリント・カップの一戦であり、土曜日に60分間のレース1、日曜に同レース2が実施された。
3番グリッドからレースを開始したルトロニックの96号車は、複数のアクシデントが発生したレース1のオープニングラップで25号車アウディR8 LMS GT3エボII(サンテロック・レーシング)をかわして2番手に浮上する。セーフティカー(SC)ランからのリスタート後は、このレースのポールシッターとなったブロンズクラス・エントリーの89号車ポルシェ911 GT3 R(ライオンスピードGP)にプレッシャーをかけ続けた。
ニーダーハウザーはレース中盤の義務ピットにいち早く飛び込みアンダーカットを狙う。10分間のピットウインドウ・オープンの終盤に89号車がピット作業に入ると、ルトロニックは目論見どおり首位に立つことに成功する。
後半のパートを受け持ったミューラーは危なげない走りでトップを快走し、後続に5.8秒差をつけてトップチェッカーを受けた。この後方ではルトロニックと同じタイミングでタイヤ交換とドライバー交代を行った25号車アウディと48号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング)、さらに63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(GRTグラッサー・レーシング・チーム)による2番手争いが展開される。
三つ巴の争いの中で一番うしろにつけていた63号車は、まずは前戦のウイナーである48号車メルセデスをかわし、続けて25号車アウディも攻略。ジョーダン・ペッパーが短時間にふたつ順位を上げ2番手に浮上した。一方、ランボルギーニにパスされた48号車も残り12分を切ったところでアウディから3番手のポジションを奪うと、その後は差を拡げて表彰台の一角を確保している。
レース2はエミル・フレイ・レーシングのフェラーリ296 GT3がフロントロウを独占し、さらにAFコルセ・フランコルシャン・モーターズの296が続いたことでフェラーリ勢がグリッドのトップ3を埋めるなか、5列目9番グリッドからスタートした32号車BMWが勝利を飾った。
現チャンピオンチームのマシンは、上位のマシンがペナルティで脱落するといった運にも助けられ順位を上げたが、レース中盤のピットイン時点では優勝するために抜くべきマシンはまだ4台いた。
しかし全車がピット作業を終えたとき、ファン・デル・リンデからステアリングを受け取ったウィーツの視界を遮るクルマはいなかった。なぜなら、彼が乗り込んだBMWは48.2秒という驚異的なピット作業時間でコースに送り出されていたためだ。ピットで4台を逆転したBMWは後半スティントを快走。2番手争いを尻目に悠々トップチェッカーを受けた。32号車BMWは開幕戦ポール・リカール以来のシーズン2勝目と、スプリント・カップ今季初勝利を飾っている。
2位から6位までが2秒以内の接近戦となった表彰台争いは、シルバークラス・エントリーの26号車アウディR8 LMS GT3エボII(サンテロック・レーシング)が総合2位の座を守り、63号車ランボルギーニが3位で連続表彰台を獲得した。4位以下は59号車マクラーレン720S GT3エボ(ガレージ59)、96号車ルトロニック・ポルシェ、99号車アウディR8 LMS GT3エボII(トレゾア・アテンプト・レーシング)というオーダーになっている。
GTWCヨーロッパの次戦第4戦、エンデュランス・カップの第2ラウンドとなるモンツァだ。3時間の決勝レースで争われる同ラウンドは5月30〜31日に開催される。
https://youtu.be/kCfpIEBoOIc
[オートスポーツweb 2025年05月20日]