温暖化の影響、素早く分析へ=猛暑や大雨、東大・京大の研究者ら

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2025年05月20日 21:01  時事通信社

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時事通信社

「極端気象アトリビューションセンター」の記者会見をする東京大の今田由紀子准教授=20日午後、東京都港区
 猛暑や豪雨などが発生した際、地球温暖化の影響があるか素早く分析して公表するため、「極端気象アトリビューションセンター」を発足させたと、東京大・大気海洋研究所と京都大防災研究所の研究者らが20日発表した。

 東大の今田由紀子准教授は東京都内で開いた記者会見で、「『温暖化を食い止めよう』とする世論につなげるには、迅速な情報発信が必要だ」と説明。当面は気温の異常現象を分析して数日後にウェブサイトで公表し、大雨も準備が整い次第、対象にすると話した。

 この研究方法は「イベント・アトリビューション」と呼ばれ、スーパーコンピューターで温暖化が起きていなかった場合の気温や雨量をシミュレーションし、実際の観測データと比較して温暖化の影響を示す。文部科学省の「気候変動予測先端研究プログラム」に参加する研究者や気象庁気象研究所が取り組んでおり、昨年9月には、同年7月の記録的猛暑は温暖化がなければ起こり得ず、山形県付近の大雨も温暖化で雨量が増えたと発表した。

 これまでは計算に時間がかかり、分析結果を公表するまで1〜2カ月必要だったが、気象庁の早期天候情報などを使ってあらかじめ準備したり、既存の計算結果を利用したりして、異常現象の発生から数日後に公表するめどが立ったという。

 ウェブサイトのURLは、https://weatherattributioncenter.jp

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