日本の音楽を世界に発信する国内最大規模の新しい国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」(MAJ)の野村達矢実行委員長が、このほど日刊スポーツの取材に応じた。国を挙げた音楽の祭典の立ち上げまでの道のりや、J−POPを世界へ送り出すビジョンを語った。
J−POPの世界進出を掲げ、“日本版グラミー賞”が始まる。コロナ禍以降、ストリーミングで音楽を聴くことが主流となり、世界中でJ−POPを聴けるようになった。一方で「ストリーミングの単価はCDの100分の1ぐらいになってしまう。マーケットの面積を広げていくことを考える中で、世界に進出していくことも考えていく必要が出てきた」といい、「海外進出の取り組みは日本の音楽業界はできていなかったが、それを一気に加速させる意味でアワードをやろうという動きになった」と意図を語った。
音楽業界の主要5団体が連携し、カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)を設立。経産省や文化庁の協力も受け、国を挙げた音楽の祭典となる。「日本のアーティストの音源が海外進出するだけではなく、海外でホールやアリーナクラスのライブやワールドツアーが展開されるようになると、(MAJ開催の)成果として見えてくる気がします」と展望を示し、「今の段階ではアニメやゲームなどをきっかけにシティポップを聴いてもらっているけど、日本に対して興味を持っている人たちがどんどん増えて、日本の文化として音楽が広まってほしいと思います」と掲げた。
60以上の部門が設けられ、「2024年リリースの曲だけではなく、その1年間で楽曲がどう活躍したかという目線で見る」と、長く日本のチャート上位にランクインする楽曲や、70年代や80年代に発売され最近再注目された楽曲なども幅広くノミネートされた。さらに「Top Global Hit from Japan」「最優秀アジア楽曲賞」など海外でヒットした曲も表彰する。「アワード自体も国際的なものにすることで海外の認知も高めていく」と海外に向けた賞でもあると強調し、「日本の音楽が海外で売れたことで、日本で(人気が)再燃するという現象もこれからさらに出てくると思う。そういったムーブメントも面白いですね」と夢を描いた。
21日に約50部門の最優秀賞授賞式が行われ、22日に主要6部門の最優秀賞が発表される。同日のグランドセレモニーなどはNHKなどで生中継もされる。音楽業界関係者約5000人の投票によって各賞が選出される、“透明性”のある賞だ。「革新性や作品性を評価しながら投票していただいているので、通常のヒットチャートの感覚とは違う形での評価になる。本当にガチ取り組みのガチ投票で、ガチの決まり方。誰になるのかをワクワクしながら見ていただきたい」とアピールした。【野見山拓樹、横山慧】
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◆野村達矢(のむら・たつや)東京都生まれ。明大卒業後、渡辺プロダクションに入社。その後ヒップランドミュージックコーポレーションに入社し、BUMP OF CHICKENやサカナクションら多くのアーティストを手がけてきた。19年に同社代表取締役社長にも就任。同年に日本音楽制作者連盟理事長に就任。
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