警視庁本部=東京都千代田区 息子を名乗って「税金を滞納した」などとうその電話をかけ、現金600万円をだまし取ったとして、警視庁暴力団対策課は21日までに、詐欺の疑いで、無職島欣邦容疑者(35)=東京都練馬区東大泉=ら2人を逮捕した。認否は明らかにされていない。
同課によると、島容疑者は準暴力団「打越スペクター」メンバーで、特殊詐欺の受け子グループのトップ。リフォーム業者「三洋」元代表として、リフォーム詐欺に関与したなどとして、特定商取引法違反容疑で逮捕されていた。同課は特殊詐欺やリフォーム詐欺など複数の犯罪に関与したとみて実態解明を進める。
他に逮捕されたのは、打越スペクターの関係者で、会社員宮川富宏容疑者(32)=静岡県小山町。島容疑者らは、少なくとも5件の特殊詐欺に関与し、被害額は約2000万円に上るとみられる。
逮捕容疑は昨年2月4〜9日ごろ、長男を装い、東京都足立区の80代女性に「仮想通貨でもうかった分の税金を滞納し、国税庁に口座を凍結されてしまったので、未納分のお金を用意してくれないか」などとうその電話をかけ、都内のアパートの空き室に宅配便で現金計600万円を送らせ、詐取した疑い。