
元飼い主に手放され、神奈川県の動物愛護センターに収容されたチワワとポメラニアンのミックス犬のラック。推定年齢6歳ほどのオスのワンコで、パテラの持病がありながらも、それ以外は至って健康で、人間も大好きな性格の持ち主です。体のどこを触っても噛みつくようなことはなく、お散歩も上手に歩きます。
【写真】ラックは背丈が同じほどの小型犬ばかりのお家でお世話を受けることになりました
自分より体の大きいワンコを前に大暴れ
ラックには1つだけ絶対に嫌なことがありました。それは自分よりも体が大きいワンコと接すること。普段は穏やかな笑顔で過ごしているラックですが、近くに中型犬や大型犬がやってくると警戒心のボルテージが最高潮となり、泣きわめて大暴れ。当の中型犬や大型犬が引いてしまうほどのややクセのあるワンコでもありました。
「転校生がやってきたクラスの空気」の中で…
動物愛護センターからラックを引き出すことになったのが愛護団体、アイドッグ・レスキュー隊。ラック特有の性格を事前に職員から聞かされた団体代表は、大型の先住犬がいない預かりボランティアさんのところでラックのお世話をしてもらうことにしました。
保護当初のラックは、自分と同じ背丈の先住犬たちを前に安心した表情で過ごしていましたが、当の先住犬たちはラックから逆に何かを感じ取ったのか敬遠したり、逆に激しく遊びをけしかけることも。その様子はまるで「転校生がやってきたクラスの空気」のようでもあり、当初はラックと先住犬がお互いを意識する感じがありました。
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しかし、同じ背丈のワンコには全く動じないラック。転校生のはずなのに先住犬たちを諭すといったお茶目な一面を見せ、やがて先住犬たちにも認められ、仲良く過ごすようになりました。
ラックの元に「遅い春」がやってきそうな気配!
先住犬たちとの散歩も大好きになり、いつもみんな一緒に笑顔を浮かべながらチョコチョコ歩くラックでしたが、しばらくの間、「うちにおいで」の声がなかなかかからず、先に縁が結ばれたワンコの背中を見届けることもありました。
保護から約10カ月ほどが経過した日、ついにラックの元にも吉報が。ラックの性格の全てが「かわいい」という里親希望者さんからの譲渡希望の連絡でした。
ラックは背丈が同じほどの小型犬ばかりのお家でお世話を受けることになりました
これまでの通り、少しクセのある性格の持ち主でもあるラックです。現在は念入りなトライアルの真っ最中で正式譲渡にはいたっていません。
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今のところ里親希望者さんのもとでの重大な問題行動は特にないため、近い将来、ラックにとっての春がやってくる気配です。待ち望んだラックの第二の犬生。その第一歩を踏み出す日はそう遠くない時期に訪れそうな予感がします。
(まいどなニュース特約・松田 義人)