レターパック記載の電話番号悪用、女性に電話疑い 日本郵便社員逮捕

　レターパックの差出人欄の個人情報を悪用して女性に電話をしたとして、警視庁蒲田署は21日、日本郵便社員、能勢（のせ）陽一容疑者（39）＝東京都大田区東嶺町＝を郵便法違反と強要未遂容疑で逮捕した。「女性なら誰でもよかった。話すきっかけがほしかった」と容疑を認めているという。

　逮捕容疑は、大田区の蒲田郵便局に勤務していた1月28〜29日、配達中などに、レターパックに書かれた差出人の20代女性の携帯電話番号を閲覧。31日に女性に電話をかけ、「あなたのマンションを盗撮している」「着替え姿をユーチューブにアップしていいですか」と言い、「やめてほしいなら、蒲田の駅で待ち合わせしませんか」と要求したとしている。

　捜査関係者によると、宛先は航空会社で、女性は航空会社への入社が決まっていた。

　警視庁によると、能勢容疑者と女性に面識はなかった。詳しい待ち合わせ場所を伝えることなく電話を切っており、「一方的に女性に伝えることで興奮した」と話しているという。

　4〜5年前から、宛先や差出人が女性の名前で、電話番号も記載された郵便物をスマートフォンで撮影して電話していたとみられる。押収されたスマホから2023年7月以降に撮影された郵便物とみられる写真約100枚が見つかった。

　日本郵便は取材に対し「事実確認中のためコメントは差し控える。捜査に協力し、事実と判明した場合は厳正に対処する」と話した。【菅野蘭】