「コラピントは必要なだけレースに出るだろう」出場数に“5戦限り”の制限はないとブリアトーレが当初の発表を否定

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2025年05月22日 07:00  AUTOSPORT web

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2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP フランコ・コラピント(アルピーヌ)
 アルピーヌF1が、ジャック・ドゥーハンに代わってリザーブドライバーのフランコ・コラピントを2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPからの5レースで起用するというプレスリリースを出してからわずか1週間あまりで、チームのエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、当初の計画は拘束力がないとして公然と否定し、その発表を撤回した。

 この矛盾は、アルピーヌ社内のコミュニケーションについてだけでなく、マイアミGP後にチーム代表のオリバー・オークスが突然辞任し、ブリアトーレが実効的な指揮権を握って以来のリーダーシップの一貫性についても疑問を投げかけている。派手なブリアトーレの、持ち前の勇ましさからの発言は、エンストン社内で意見の不一致があることを示唆しており、すでに波乱に満ちた2025年シーズンをさらに不安定にする可能性がある。


■明確な計画から無期限のトライアルへ

 5月7日、アルピーヌは暫定的な再編を正式に発表し、コラピントが「今後5ラウンド」に参戦することを明確に表明した。この声明は、ブリアトーレ自身の発言によって裏付けられている。

「今シーズンの開幕戦を見直し、今後5戦はピエール(・ガスリー)とともにフランコを走らせるという決断に至った。(中略)次の5レースは、違う何かを試す機会となり、この期間が過ぎた後に選択肢を評価することになるだろう」

 今では、その約束は消えてしまったようだ。イモラで『Sky Italy』のインタビューに応じたブリアトーレは、コラピントの新たな役割についてまったく異なる解釈を示した。

「フランコは必要なだけレースに出るだろう。どこかで彼は5回のレースに出場すると読んだが、それは違う、彼のレース数に制限はない」

「彼は速く走り、クラッシュせず、ポイントを獲得する必要がある。私が彼に求めているのは、10のことではなく、この3つのことだけだ。それをうまくこなせれば、彼は永遠にドライブし続けるだろう」

 この矛盾は衝撃的だ。決定された計画を概説したチームの声明文があるのに、チームボスがそれを9日以内に軽々しく無視しているのだ。流動的で、グリッドの最後尾近くで低迷しているチームにとって、そのような一貫性のなさが、チームのマネジメントの方向性に対する信頼を鼓舞することはほぼない。


■リーダーシップの交代と曖昧な保証

 ブリアトーレはオークスの退団についても触れており、改めてこれは内部の衝突によるものではなく“個人的な問題”によるものだと主張した。

「マイアミ後の彼の辞任は個人的な問題によるもので、それが起きたときは私も予想していなかった」

「これは団結したチームだ。私がオリバーと口論したといううわさがあったが、それは真実ではない。我々は素晴らしい関係を築いている」

 正式なチーム代表ではないものの、現在は完全なコントロールを手にしたブリアトーレは、いかなる構造的変化も軽視している。

「何も変わっていない。組織図は少し変わったが、その他はすべて同じままだ。チーム代表の役割に関しては、状況を評価する必要がある......」

「今のところは私が指揮を執っている。私はこれには慣れている。学校の初登校日というわけではない」

 それは確かにそうかもしれない。しかし、競争力の再構築を目指すチームにとっては、ブリアトーレの即興の才能よりも、明確さと一貫性の方が価値があるかもしれない。だが今のところ、どちらも十分にあるようには見えない。

[オートスポーツweb 2025年05月22日]

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