天空がオリジナルブランドの製品として、Windows 11を搭載したポータブルゲーミングPC「TENKU LUNA」を発表した。価格は8万6900円(税込み)で、5月下旬に出荷を開始する。
●1世代前のCPUを採用することで価格を抑えた
TENKU LUNAは、CPUにAMD Ryzen 7 7840U(8コア/16スレッド)、GPUにCPU内蔵のAMD Radeon 780Mを採用した7型のポータブルゲーミングPCだ。解像度は1920×1080ピクセル、リフレッシュレートは最大120Hz、sRGB色域カバー率は100%、輝度は450ニトとなっている。
メモリは32GB(LPDDR5)で 、ストレージは1TBまたは2TB(M.2 2280 PCIExpress 4.0 x4 SSD)を搭載する。
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インタフェースはUSB4(Type-C)×2基、3.5mmヘッドフォンジャック、microSDメモリーカードスロットを備える。USB4は充電と外部出力をサポートし、外付けGPUボックスを接続して、グラフィックス性能をアップさせることも可能だ。
バッテリー容量は50.04Whで、ゲームの負荷にもよるが2〜3時間のプレイが可能だという。長時間ゲームをしていると気になるのが本体の発熱だが、吸気口を大きくすることにより、放熱性能を向上させた。
本体には3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーも内蔵しており、本体を傾けて操作できる上、デュアルリニアモーターによる振動機能もある。
ポータブルゲーミングPCで気になるのは、TDPやコントローラーのキャリブレーションを手軽に行えるかという部分もある。TENKU LUNAにはボタン1つで起動できるユーティリティー「GameAssistant」を用意されている。設定項目はシンプルなので、ゲーム初心者でも直感的に設定できそうだ。
対応ゲームタイトルとして「モンスターハンターワイルズ」「エルデンリング」「ドラゴンクエスト3 リメイク」「ForezaHolizon5」「DOOM ダークエイジ」「フォートナイト」が挙げられている。
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ワイヤレス機能はWi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応しており、一般的なマウスやキーボード、ワイヤレスイヤフォンと接続できる。
電源ボタンは指紋認証センサーを搭載しており、Windows Helloを利用できる。本体サイズは約256(幅)×113.5(奥行き)×22.5〜36(高さ)mmで、重さは約666gだ。
価格は1TB版が8万6900円、2TB版が9万6800円となっている。また、外部GPUボックスを使えることから、コンパクトeGPU「AYANEO GRAPHICS STARSHIP AG01」とのセット販売も行う。こちらは順に18万6700円と19万6600円に設定されている。
天空の山田拓郎社長は「ジャイロセンサーやリニアモーター、クイックコントロールパネル『GameAssistant』の搭載など、当社で扱っている他社製ポータブルゲーミングPC同様の機能を一通り搭載している。中国工場によるOEMとはいえ、国内ブランド発の製品ということで、サポートの面でも安心していただける。1世代前のCPUを採用することで、価格を抑えている」と説明する。
●かゆいところに手が届く使いやすさ
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発表会の会場となったハイビーム 秋葉原本店には、TENKU LUNAの実機が複数展示されており、自由に触ることができた。
7型のTCLディスプレイは解像度が1920×1080ピクセルと標準的だが、表示は美しく他のポータブルゲーミングPCと遜色ないと感じた。
ジョイスティックはホールエフェクトタイプを採用するのを見送ったとのことだが、他の記者がゲームプレイしているのを見ている限り、引っ掛かりやドリフトなどは感じられなかった。
実際に手にしてみると、SteamDeckを持ったときと同じような「お、軽い」という印象を受けた。価格も手頃なので、これなら普段の持ち歩きにぴったりそうだ。
本体の上下にUSB4のポートがあるので、据え置きタイプのドックなら下の端子、USBハブのようなドックなら上の端子を使う、など汎用(はんよう)性が高いのがありがたい。
個人的に「これは使いやすい」と感じたのが、ソフトウェアキーボードを表示するボタンをフロントに配置してあることだ。筆者が所有する他のポータブルゲーミングPCでは、本体上部にある“どれか”のボタンにそれが割り当てられているため、機種を変えると「どのボタンだったっけ」と毎回探している。
しかし、TENKU LUNAでは、本体のフロントにあるGameAssistant呼び出しボタンのすぐ上にそのボタンがある。キーボードのアイコンも印刷されているので分かりやすい。
ゲームコントローラーをマウスとして使いたい場合は、GameAssistantから設定する。ディスプレイがタッチ対応なので、コントローラーで操作するよりタッチ操作の方が直感的かもしれないが、細かなウィンドウを閉じるボタンなど小さいボタン操作はマウスカーソルで行った方が確実だろう。
背面は光沢感のおかげでチープさはないが、指紋がつきやすいのが玉にきずだ。特にこれからの季節は手汗が気になるかもしれない。
グリップ感は良く、他のポータブルゲーミングPCと比べても操作しづらいということはない。ただ、昨今のポータブルゲーミングPCに見られる背面や上部にカスタマイズ可能なボタンがないので、人によっては物足りなさを感じるかもしれない。そのため、同機は初めてポータブルゲーミングPCを買うというユーザーにマッチしそうだ。
●なぜ天空のオリジナル製品を開発したのか?
AYANEOやOne-Netbook、GPDといった海外製品を仕入れている天空が、なぜ自社の製品を開発しようとしたのか。山田社長は「ROG Allyより前に構想があった」と言う。
「海外の工場から、自社ブランドで出してみないかと打診され、ヨーロッパなどでショップブランドPCが主流の国もあることから検討し始め、ようやく日の目を見た、というところだ」といきさつを解説してくれた。
OSはWindowsを採用しているので、仕事やクリエイティブな作業にも使いやすいだろう。今ならオリジナルキャラクター「LUNA」の特製壁紙ももらえるので、気になる人はショップをのぞいてみてはどうだろうか。
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