フォードは現在、WEC世界耐久選手権のLMGT3クラスにプロトン・コンペティションと組んで参戦している フォード・パフォーマンス・グローバル・ディレクターのマーク・ラッシュブルックによると、フォードのファクトリーLMDhプログラムは2027年のWEC世界耐久選手権に集中する予定だが、同氏は、早ければ2028年からIMSAウエザーテック・スポーツカー選手権に並行参戦する可能性も否定していない。
2025年1月にWECでのハイパーカー・プログラムを発表したフォードだが、このマシンでIMSA GTPクラスに参戦する可能性の詳細については言及されなかった。
Sportscar365の独占インタビューに応じたラッシュブルックは、フォードが複数年にわたるWECへのコミットメントに加えてIMSA GTPへの参戦を決定した場合のスケジュールについて、より詳細な情報を明らかにした。
「我々が発表したのは、2027年にWECに参戦するということだ。それ以上のことは公式には何も言っていない」
「あのクルマがIMSAに参戦する可能性は当然ある。しかし、現時点で話せるようなことは何もないんだ」
そのチャンスが2027年の参戦初年度に訪れる可能性があるかと問われたラッシュブルックは「早くても2028年だろう」と答えている。
フォードの潜在的な展開戦略は、2027年にIMSAに進出する前に2026年のWECでGMR-001をデビューさせるジェネシスのそれとよく似ている。また、こうしたスケジュールはLMDh創設ブランドのひとつであるBMWなども選択してきたものだ。
ラッシュブルックによると、フォード・パフォーマンスはすでにシャシー・パートナーとパワートレインを決定しており、発表は年内に行われるという。
「今年の残りの期間を通じてシャシー・パートナーを発表し、次にチームを発表し、その後にドライバーをアナウンスする予定だ」と彼は説明した。
ル・マンGTEプロクラスで優勝したフォードGTに使用され、その前にはグランダムDPマシンに搭載されていたエコブーストV6ユニットを検討したことがあるかについて問われたラッシュブルックは次のように答えている。
「それは評価の一部で存在したアイデアだ。しかし、我々は今年の後半に発表する方向性で決定したよ」
一方、ファクトリーWECプログラムの運営については「多くのチームと」話し合いが進められているという。
「現在、我々はあらゆる方法を検討している」と同氏。「多くのチームと話をしているが、その多くはヨーロッパ本土やイギリスを拠点としている。アメリカを本拠地としながらヨーロッパにも展開しているチームもあるが、まだ決定はしていない」
「多くの意味で、完全にヨーロッパを拠点とすることは理にかなっているが、それ以外にも考慮すべきことがある」
ラッシュブルックによると、まだ名前が決まっていないLMDhマシンのテスト走行は、2026年の第2四半期に開始される予定だという。
「たしかに実車で実際のコンデションのサーキットを走るのは良いことだが、我々が持っている先進的なトランジェント・ドライブライン・ダイノを使ってテストすることもできる」
「もちろん、エンジン・ダイノも行うが、フル・ドライブライン・ダイノも行えるので、クルマに搭載する前にエネルギーの最適化やキャリブレーションの一部に取り組むことも可能だ」
[オートスポーツweb 2025年05月22日]