
《すごい増えている。にぎやかで楽しそう》
《愛されていますね、バルト館》
《お土産屋さんが開けるかも》
机いっぱいに置かれた人形を前に、両手を広げて満面の笑みを見せる男性。大阪・関西万博(以下、万博)のパビリオンに訪問した駐日リトアニア大使のオーレリウス・ジーカスさんが20日、画像をSNSにあげたところ、温かなコメントが次々と寄せられた。
寄贈された『ミャクミャク』
「撮影された場所はラトビアとリトアニアの2国による、共同パビリオン『バルト館』。入り口に飾られた70点以上の万博公式キャラクター『ミャクミャク』の人形と、嬉しそうに写真を撮る大使の様子です。多くの日本人がこの人形を寄贈したことで、大使は写真とともに感謝の気持ちを綴っています」(政治ジャーナリスト、以下同)
事の発端は、5月16日にジーカス大使がSNSに公開した「ミャクミャクは突然消えてしまいました」という防犯カメラの映像。
「映っているのは、麦わら帽子をかぶった女性と白いカーディガンを羽織った二人組の女性。バルト館に入るや否や数秒辺りを見渡し、入口に飾られていたミャクミャク1点を手持ちのバッグに入れてそのまま立ち去りました。ただ、バルト館の担当者は“大きな問題にはしたくない”と警察に被害届を出さない方針。人形が戻ってくるのを待っていたところ、来場者から多くの寄贈があったんです」
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心無い盗難映像を見た人からは
《大人として恥ずかしい》
《お前らがやった犯罪は、なかったことにはならないからな》
《どんな神経してんだ》
という怒りの声や
《しっかりと顔まで公開するのが抑止にもつながる》
《入場ゲートの顔審査で特定できない?》
など、犯人特定を望む声が次々と挙がっている。
5月21日現在も盗まれた人形は戻っていないが、寄贈された人形は通常のものだけでなく、子どもが折り紙で作ったものや手作りのぬいぐるみなど、多くの善意が寄せられている。
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しかし、このおもてなし文化が懸念材料になっていると前出のジャーナリスト。
「おもてなし文化や助け合いの精神は日本人が大切にしている価値観の一つ。ただ、度を超えた思いやりは逆効果になる可能性があります。実際にSNSでは多くの寄贈に対して、“もういらないですって言わないと永遠と増えるよ”“そろそろ置き場に困るから持っていくのはやめた方がいい思う”という心配の声が。本当に相手に喜ばれているかどうか、今後は分別ある行動をしたいものです」
善意も度を超すと…
似たような事例として、フィギュアスケートの演技終了後にリングに投げ込まれる人形や半束の数々。羽生結弦選手は母親が十数箱を超える箱詰めを夜遅くまでして、自宅に宅急便で送っていたそう。
《ぼちぼち制限しないと羽生君のプーさんみたいになりますよ》
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日本人の親切心が行き過ぎ、ありがた迷惑なミャクミャク、とならぬことを祈りたい。