介護アイドルと昭和歌謡歌う観客一体型舞台が30日開始 主演の西浜詩織「ぜひ懐かしい曲を」

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2025年05月23日 05:02  日刊スポーツ

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「劇団♪唄タイム」第1回公演「歌え!懐メロ少女隊 アイドルは介護施設をめざす」への意気込みを語った主演の西浜詩織(撮影・松尾幸之介)

“介護アイドル計画”が盛大にスタートする。30日初日の「劇団♪唄タイム」第1回公演舞台「歌え!懐メロ少女隊 アイドルは介護施設をめざす」(東京・アトリエファンファーレ東新宿)で主演する女優西浜詩織(27)と脚本・演出の、くしろきんぞう氏が取材に応じ、新設立の劇団への思いや、見どころを語った。


アイドルグループをクビになった西浜ら3人のメンバーが介護施設などをめぐる介護アイドル“介ドル”を目指して奮闘する演劇と、観客も一体となって昭和歌謡を楽しむステージの2部制。くしろ氏は「昔は誰でも知っている有名な歌をみんなで歌ったりしていましたが、最近は歌がパーソナルなものになってきていると感じます。そんな中で、みんなで歌える舞台も必要なんじゃないかと思いました」と思いを語った。


これまで飲食店などを借りた小規模イベントを2度行って試運転し、舞台化へ至った。西浜は「最初はみんな歌ってくれるのかなと不安でしたけど、やってみると結構歌ってくれて自信にもなりましたし、可能性を感じました」と振り返る。これまでは主にミュージカル出演などを重ねており、自身にとっても「ひとつの挑戦」でもある。「みんなで歌うという、そういう場所ができるのは面白いと思いますし、若い子にはなじみがないことかもしれませんが、ぜひ懐かしい曲を楽しみたい方に来ていただきたいです」と話した。


舞台では加藤登紀子の「知床旅情」、松田聖子の「青い珊瑚礁」、南沙織の「17才」、橋幸夫と吉永小百合のデュエット曲「いつでも夢を」、そして今回のために制作したオリジナル曲「サステナブルラブ」など約10曲ほどを披露予定。


くしろ氏は介護アイドルの可能性について「最近は施設に入る人も多くなっていると思いますが、楽しさがないと健康な人も入ることを拒むんじゃないかなと。そこでこうした娯楽がある方が喜ばれるんじゃないかなという思いもあります」と話す。「地下アイドル」という言葉があるように、昨今、アイドル活動に励む若者が増えたことにも触れ「そうした子たちが活動を終えたあと、どうなるんだろうなと思ったのもありまして。その後の活動としても面白いかなと。70、80代の方からすれば、40、50代でも娘、息子みたいなものですから、そういう人たちがアイドルになってもいいかなと。介護とアイドル、どちらのスキルもある人が増えたらよりよいのではないかとも考えています」と力を込めた。


浅草などで昭和の流行歌などを披露する「東京大衆歌謡楽団」らの活動にも着想を得て始まった今回の活動。今回の舞台を機に、「劇団♪唄タイム」も新たに旗揚げした。西浜は「介ドルという言葉もキャッチーで覚えやすくて、少し気に入っています」と笑顔をみせ「こうした舞台で世代の違う人たちの交流が生まれるのもいいなと思いますし、私自身も自分がアップデートされて、さらに取り組みも広がっていったらいいなと思っています」と意気込んだ。


今後は施設やイベント開催などで披露の場を探るほか、舞台は続編の構想もあるという。くしろ氏は「昔、よく歌っていたけど最近歌っていないなという方、みんなで知っている共通の歌を歌いたいという方、ぜひいらしてください」と呼びかけた。舞台は5月30日から6月1日までの3日間、東京・アトリエファンファーレ東新宿で行う。西浜のほか、宮坂桃奈、みたにあかね、伊藤陽光、常世晶子、島田真次、見上裕昭も出演する。【松尾幸之介】


◆西浜詩織(にしはま・しおり)1997年(平9)11月9日生まれ、神奈川県出身。3歳からピアノ、16歳から声楽を始め、篠崎義昭氏や加納里美氏に師事。東京音大声楽演奏家コース卒業。19年ミュージカル「イノサン musicale」、20年舞台「あずみ〜戦国編〜」、ミュージカル「レ・ミゼラブル」、NHK連続テレビ小説「エール」、24年「夜曲〜ノクターン〜」など出演多数。153センチ。

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