画像提供:マイナビニュースCHINTAIは5月21日、「住みたい街ランキング2025 首都圏版」および「一度は住んでみたい憧れの街」の調査結果を発表した。調査は2024年10月1日〜2025年3月31日、女性向け賃貸物件検索サイト「Woman.CHINTAI」に掲載された賃貸物件のうち、首都圏エリア(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県)の問合せ数を集計。「憧れの街」ランキングは2025年5月1日、首都圏在住の18歳〜39歳の未婚女性498人を対象に行われた。
○都市隣接型エリアが人気
住みたい街ランキングでは、都内の主要駅へのアクセスの良さに加え、スーパーや飲食店、ドラッグストアなど、生活に必要な機能がコンパクトにまとまった「浦安」「川崎」「北千住」といった都市隣接型エリアが上位に入った。通勤・通学の利便性と日常生活のしやすさを両立できる街として、女性たちから高い支持を集めている。
○TOP10に中央線沿線駅が4駅ランクイン
中央線沿線がTOP10に4駅もランクインしており、都内でも特に人気の高いエリアであることがうかがえる。特に「荻窪」と「西荻窪」の大幅ランクアップが目立つ。中央線は交通利便性に加え、商店街やカフェなど日常を心地よく過ごせるスポットが充実しており、住環境としての魅力も高まっている。近年は、利便性だけでなく、自分らしいライフスタイルを大切にしたいと考える女性たちからも、街の雰囲気や暮らしやすさが支持されているようだ。
○順位急上昇の駅が多数
今回のランキングでは、「武蔵小杉」(77位→7位)、「大森」(101位→8位)、「西荻窪」(66位→9位)など、昨年から大きく順位を上げた駅が複数ランクインしている。これらの駅に共通しているのは、都心アクセスに優れながらも、駅周辺の再開発や生活利便施設の整備が進んでいること。"これからもっと住みやすくなる街"としての期待感が、女性たちからの支持につながっていると考えられる。
○急上昇駅TOP5
住みたい街ランキングTOP50の中から、前年と比べて大きく順位を伸ばした駅をピックアップ。今年注目度が急上昇した街TOP5を紹介する。
今年の急上昇ランキングでは、都心へのアクセスが良く、比較的落ち着いた雰囲気を持つ街が多くランクインした。「新浦安」は、昨年268位から224ランクアップ。整備された街並みや商業施設の充実といった利便性の高さが、幅広い女性からの関心を集めたようだ。
2位の「地下鉄赤塚」と5位の「上石神井」は、いずれも23区内に位置し、池袋駅や新宿駅といった主要ターミナルへのアクセスが良好でありながら、落ち着いた住宅街としての環境も魅力。暮らしやすさを重視したい女性にとって、バランスの取れたエリアといえる。3位の「国立」は、文教エリアならではの穏やかな雰囲気と豊かな緑が魅力で、初めての一人暮らしでも安心して暮らせる街といえる。4位の「橋本」はリニア中央新幹線の開業予定地で、駅周辺の開発も進行中。将来性への期待が表れた結果といえそうだ。
いずれの街も、「都心へのアクセスの良さ」「商業施設の充実度」「落ち着いた雰囲気」など、複数の条件をバランスよく満たす"ちょうどいい街"として、女性たちの共感を集めたことが今回の結果に表れている。
○"絵になる街"が上位に
2年連続で1位に選ばれた「横浜」は、交通の利便性はもちろん、ショッピングやグルメ、アートなど、あらゆる"理想的な要素"がそろった街として、長年多くの人の憧れを集め続けている。加えて、2位の「東京」、3位の「吉祥寺」にも共通しているのは、日々の暮らしそのものが"絵になる"街であるという点。これらを憧れの街として選んだ理由として、「街が洗練されている」「おしゃれな店が多い」といった声が多く寄せられた。単なる通勤の利便性や家賃の手頃さといった"機能性"ではなく、街の雰囲気やそこに流れる空気感、そして自分らしく、心地よく日常を過ごせるかどうかが、憧れの基準になっているようだ。
○"家賃より自分らしさ"で選ぶ時代へ
今回のランキングでは、「恵比寿」「代官山」「中目黒」など家賃相場が高めの街から、「吉祥寺」「鎌倉」「舞浜」「大宮」といった手の届きやすい価格帯の街まで、幅広い家賃帯のエリアが上位にランクインした。"高ければよい" "安ければ正解"といった単純な価値判断ではなく、「自分が心地よく過ごせるか」「ライフスタイルに合っているか」など、それぞれの"自分基準"で街を選んでいる人が増えているということ。都市の個性、街の雰囲気、アクセス、自然環境、生活利便など、人によって重視するポイントが異なる今、"家賃相場に関係なく、自分の価値観で憧れの街を選ぶ"傾向が強まっていることがうかがえる。
○自然と都市の"ちょうどいい距離感"の街がランクイン
「鎌倉」や「舞浜」など、都心からやや距離があるにもかかわらず上位にランクインした街には、利便性だけでは語れない魅力が備わっている。憧れの街に選んだ理由でも、「街の雰囲気が好き」といった声が多く寄せられた。自然やリゾートのような空気感と、生活のしやすさが両立しているこれらの街には、都市とのほどよい距離感の中で、自分らしく暮らせる"安心感"がある。その心地よさが、多くの女性たちの共感を集めているのかもしれない。
○注目駅3選
2025年のランキングでは、「神奈川」「大船」「宇都宮」といった、これまで上位ではなかったエリアが大幅に順位を上げた。いずれも都市部へのアクセスが良好でありながら、落ち着いた街の雰囲気や生活のしやすさといった点で注目を集めている。「神奈川」は横浜駅至近の立地ながら、落ち着いて暮らせる環境が魅力。「大船」は湘南・鎌倉エリアへの拠点でありつつ、生活に必要な施設も充実していることから、実用性とゆとりのバランスが取れた街として評価を集めている。「宇都宮」は都心から距離があるものの、新幹線利用での通勤可能性や、地元で完結する暮らしやすさから注目が高まった。
こうしたエリアの躍進からは、"憧れの街"の基準がより多様化し、知名度や華やかさよりも、自分らしく心地よく暮らせる場所が"憧れの基準"になってきていることがうかがえる。
○「憧れの街」に対する考え方
「憧れの街調査」では、「家賃」「アクセス」「生活環境」などの現実的な条件をふまえ、その街に"実際に住めると思うか"を尋ねた。その結果、「すぐにでも住める」と答えた人は5.13%にとどまり、大半の人が何らかの条件に引っかかりながらも、街に対して"憧れ"を抱いていることが明らかになった。
「予算次第で住みたい」(11.63%)や「アクセス次第で住みたい」(4.75%)、「ギリギリ住めそう」とした回答を含めても、"現実的に検討できる層"は全体の約30%程度にとどまっている。一方で、「予算上、住むのは厳しいが憧れる」(18.5%)、「アクセス上、住むのは厳しいが憧れる」(7.38%)、「住めるかどうかよりイメージが好きだから選んだ」(32.86%)という声も多く、実際に住むかどうかよりも、"その街に抱く雰囲気やライフスタイルのイメージ"に惹かれている様子がうかがえる。
今回の憧れの街ランキング上位には、「吉祥寺」「鎌倉」「大宮」など、家賃相場が比較的手の届きやすい街も多く含まれており、"憧れ"と"現実"のバランスが取れた街が選ばれている点も注目すべき傾向である。"憧れ"が単なる理想で終わるのではなく、実際に「住めるかもしれない」と思える街との出会いが増えることで、人々の暮らしへの期待や選択肢はより広がっていくと考えられる。(Yumi's life)