大分市が発注した除草業務委託の指名競争入札で、非公開の予定価格を業者に漏えいして落札させたとして、大分県警は23日、自民党所属の大分市議、山本卓矢容疑者(45)ら3人を公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕した。山本容疑者は県議の秘書を経て、2023年4月の市議補選で初当選し、現在2期目。
捜査関係者によると、山本容疑者は十数件の業務委託について市職員から予定価格を聞き出し、業者側に伝えていたという。県警は旧知の業者の依頼を受け、便宜を図ったとみて詳しい経緯を調べている。
他に逮捕されたのは、大分市玉沢の造園土木業者「ヒロセ」社長の広瀬幸一(85)と、娘で取締役の阿南美幸(59)の両容疑者。
逮捕容疑は24年4月30日〜5月1日ごろ、山本容疑者が公園の除草業務委託十数件の予定価格を市職員から聞き出し、阿南容疑者に漏えい。5月13日に執行された指名競争入札で、このうち2件を「ヒロセ」に落札させたとしている。県警は3人の認否を明らかにしていない。
業務を発注した市公園緑地課によると、ヒロセは2件の業務をいずれも予定価格から約1〜2万円低い金額で落札していた。県警は23日、山本容疑者の自宅など関係先を家宅捜索。山本容疑者に情報を伝えた市職員についても、公契約関係競売入札妨害の疑いで任意で捜査している。
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市では、ごみ収集運搬業務委託の指名競争入札を巡り、予定価格を業者に漏らしたとして、当時の市環境部長らが今年2月に官製談合防止法違反(入札妨害)などの疑いで逮捕され、その後起訴されていた。
今回の事件を受け、市は「公平性を求められる入札及び契約業務で、市民に多大な迷惑をかけたことを深くお詫びする」とコメントした。【岡田愛梨】
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