大阪桐蔭、期待の大物1年生たちを直撃「侍ジャパンU−15代表」「おかわり2世」が語る夢と覚悟

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2025年05月23日 18:20  webスポルティーバ

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大阪桐蔭のリアル(後編)

前編:西谷浩一監督目指す、選手たちの人生を見据えた育成とは>>

 現在、NPBには18人の大阪桐蔭出身選手が在籍しており、現役選手や卒業生のなかには今秋のドラフト候補も複数名いる。そんな名門・大阪桐蔭には、今年も全国から選りすぐりの逸材たちが集まった。

 なかでも注目されるのは、井端弘和監督が率いる侍ジャパンU−15代表として、昨年8月にコロンビアで開催された「第6回 WBSC U−15ワールドカップ」で初優勝を果たした代表選手4人と、西武の強打者として知られる中村剛也を父に持つ中村勇斗だ。

 今回、彼らに大阪桐蔭を選んだ理由や、入部して気づいたこと、将来の展望について語ってもらった。

【侍ジャパンU−15代表から4人が入部】

 まずは侍ジャパンU−15代表の経験者たち。走攻守三拍子揃った大型外野手の今井幹太郎(東京城南ボーイズ出身)、小柄ながら走攻守三拍子が揃ワールドカップでも活躍した中島齊志(福岡・飯塚ボーイズ出身)、身長190センチで最速140キロの大型左腕・川本晴大(東京城南ボーイズ出身)、パワーとスピードを兼ね備え、ワールドカップでは打率.529をマークし首位打者に輝いた岡田良太(熊本泗水ボーイズ)の4人だ。

── 進学先は様々な選択肢があったかと思いますが、大阪桐蔭に決めた理由は何ですか?

今井 見学に来た時に一人ひとりが1球に対して真剣に向き合っていたことや、個々の練習でも各自が課題を持って取り組んでいて、ここなら一番うまくなれると感じました。

中島 自分も見学に来た時に、練習環境や質、先輩方の行動、ひとつのプレーに対する集中力がすごく、ここに行きたいと思いました。

川本 練習や試合の声かけがすごくて、全員が盛り上がっていて、雰囲気がよかったので決めました。

岡田 高校3年間に加え、将来的な目標や夢も考えた時に、野球の技術だけでなく人間として成長ができることが大切だと考え、ここが一番成長できると感じました。

── 入学して2カ月ですが、いかがですか?

今井 寮生活が初めてなので自分のユニフォームを洗濯することも初めてでしたが、自分の時間もしっかり使えるようになりました。

中島 初めて親元を離れて寂しい気持ちもありましたが、先輩や同級生と切磋琢磨して、充実した時間を過ごせています。

川本 先輩や同級生とも仲良くなり、いい感じに過ごせています。

岡田 自分で衣服の洗濯や部屋の掃除をすることが初めてで、親への感謝の気持ちがより湧いています。

── 侍ジャパンU−15代表を経験して得たものは何ですか?

今井 自分は直前合宿でケガをしてしまいコロンビアには行けませんでしたが、リハビリに行って、体の使い方などメカニクスのことやトレーニングをいろいろ教えてもらい、視野が広がりました。

中島 侍ジャパンはみんなのレベルが高く、競争も激しかったので、井端監督に教わった走塁や守備の基本は今も生きています。

川本 大会期間中にケガをしてしまいましたが、初戦のドミニカ共和国戦に先発させてもらい、海外の球場の雰囲気やレベルの高い守備のなかで投げることができ、貴重な経験でした。

岡田 自分は大会前のケガから始まったのですが、自分の体を見つめ、さまざまなトレーニングやストレッチを教えてもらい、野球の技術にもつながっています。

── 大阪桐蔭での夢や目標を教えてください。

今井 春夏連覇が高校野球生活のなかでの目標なので、それを全国から集まったこのメンバーと達成したいということが一番です。個人的な目標としては「大阪桐蔭のすごい選手は誰だ?」と聞かれた時に、自分と言ってもらえるような選手になりたいです。

中島 自分もチームとしては春夏連覇を目標に、そこにこだわって、日々練習していきたいです。個人としては、走攻守三拍子揃う、短打も長打も打てる打者になりたいです。

川本 チームでの目標は春夏連覇が一番で、個人としては大事なところで任せてもらえる投手になりたいです。

岡田 春夏連覇という目標と、世代ナンバーワン打者と言ってもらえる選手になりたいです。

【父と同じ道に進んだ中村勇斗】

 つづいて話を聞いたのは中村だ。身長181センチ、体重95キロ、足のサイズは32センチという恵まれた体格で、中学時代は強豪・世田谷西リトルシニアの中軸打者として全国制覇を経験。その一方で、同期の1年生たちからは「めっちゃ優しい」「打撃がすごい」「たくさん食べる」といった声が挙がるように、早くも"おかわりくん2世"の雰囲気を漂わせる大器だ。

── 進学先はさまざまな選択肢があったかと思いますが、大阪桐蔭に決めた理由は何ですか?

中村 小さい頃から憧れていたこともありますが、練習を見て技術だけではなく声や動きも含めてレベルが違いました。ここなら一番成長できると思いました。

── 入学して2カ月経ちましたが、いかがですか?

中村 慣れてきました。ある程度はついていけているかなと思います。

── 父である中村剛也選手(西武)からは、どんな声をかけられましたか?

中村 「頑張ってこいよ」と。野球のことは全然教わったことはないんです。

── 初めての寮生活、関西での生活はいかがですか?

中村 関西人はもっと怖いかと思っていたのですが、普通でした(笑)

── 大阪桐蔭でどんな成長をして、今どんな夢を見ていますか?

中村 一番近い目標は、1年の秋にメンバー入りすることです。最初は1年夏を目指すと言っていたのですが難しいと感じたので、1年秋にスタメンをとって、自分たちの代で主力として春夏連覇をしたいです。

 生徒募集と投手指導を担当する石田寿也コーチが「春の大会は2、3年生がひと冬頑張ってきた成果を試す場所だと思っていますし、ほとんど見ることができていない1年生を起用するのはリスクがあると思います」と語るように、彼らのデビューは早くても夏になりそうだ。

 ふだんは同じ練習をし、先日の春季大阪大会決勝では初めて先輩たちの試合を観戦。大きな刺激を受けたと語る。

「主将を務める中野(大虎)さんは人間性も含めてすごいです。森(陽樹)さんも見たことのないようなボールを投げますし、宮本(楽久)さんも攻守でレベルが高く周りも見られるよい先輩です」(中村)

「みんながひとつになっていましたし、中野さんの1球1球に気持ちがこもっているすごい投球でした」(今井)

「先制点を取られても声を切らさず、自分たちのペースに持っていったので、自分たちもそういう野球をしたいと思いました」(中島)

「中野さんが"俺がカバーするから"と野手に声をかけていて、投手なのにチーム全体を見ているなと思いました」(川本)

「先制点を取られても先輩たちは常に前を向いて、声をかけ合いながら戦っていました」(岡本)

 全国から1学年20人という狭き門をくぐった逸材たちは、さまざまな経験を重ね、いつの日か甲子園はもちろん、プロ野球選手、侍ジャパンのトップチームでの活躍を夢見ながら、鍛錬を積んでいる。彼らのお披露目される日が今から楽しみだ。

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