川崎ストーカー事件 家族「神奈川県警が動かず」 警視庁に事前相談

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2025年05月23日 18:34  毎日新聞

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毎日新聞

岡崎彩咲陽さんの遺体が発見された、元交際相手の白井秀征容疑者の自宅前。通行人の80代女性は「前を通る時は手を合わせている。まだ若いのに可哀そうで」と話していた=川崎市川崎区で2025年5月7日午前10時37分、横見知佳撮影

 川崎市の民家で岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)の遺体が見つかった事件で、岡崎さんの失踪後、親族が「ストーカー被害を訴えているのに神奈川県警が対応してくれない」と警視庁に相談していたことが判明した。県警が元交際相手の家で遺体を発見したのはその3カ月以上後で、県警の対応が後手に回った様子が浮かび上がる。


 横浜地検は23日、元交際相手の無職、白井秀征容疑者(27)を死体遺棄と死体損壊の罪で起訴した。


 起訴内容は2024年12月20日〜25年4月2日、岡崎さんの遺体を焼いた上、自宅の床下に隠して遺棄したとされる。地検は認否を明らかにしていない。捜査関係者によると、遺体が入ったビニール袋からは白井被告の指紋が検出された。


 岡崎さんは24年6月以降、白井被告からのストーカー被害を何度も県警川崎臨港署に相談・通報し、12月20日に行方不明になった。


 捜査関係者によると、岡崎さんの親族は今年1月中旬に「県警が動いてくれない」と警視庁に相談。警視庁の捜査員が、県警本部でストーカー対策などに取り組む人身安全対策課に電話で対応を促した。


 しかし人身安全対策課は「詳細を把握していないので、川崎臨港署に聞いてほしい」と回答。警視庁が署に改めて問い合わせると、「やることはやっている」と答えたという。県警が白井被告宅を捜索し、岡崎さんの遺体を発見したのは4月30日だった。


 この経緯について、人身安全対策課は取材に「対応状況は答えられない」とコメントした。


 県警の検証チームが事件前後の対応について調査を進めているが、県警内では署と本部の連携不足を指摘する声が上がっている。


 捜査関係者によると、殺人事件などを調べる県警本部の捜査1課の幹部は、遺体が見つかったことで初めて事案を把握したという。ある県警幹部は「署と本部のやりとりが不十分だったのではないか」と語る。


 白井被告は5月3日に逮捕された際は「間違いありません」と死体遺棄の容疑を認めたが、その後は黙秘に転じた。県警は岡崎さんが死亡した経緯についても捜査を続ける。【宮本麻由、朝比奈由佳、矢野大輝、横見知佳】



このニュースに関するつぶやき

  • 偏見100%だけど、痴話喧嘩の延長に付き合わされたくなかった(あるいは似たような相談が山のようにあって、全部対応してたらキリがない)のかな。せめて被害届はだそうよ。
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