昨季のCLを筆頭に、“第二次政権”では11タイトルをもたらした [写真]=Getty Images レアル・マドリードは23日、同クラブの男子トップチームを率いるカルロ・アンチェロッティ監督が、2024−25シーズンをもって退任することを発表した。
CBF(ブラジルサッカー連盟)はレアル・マドリードの公式発表より前の5月11日、アンチェロッティ監督がブラジル代表の新指揮官に就任することを発表。このリリースにより、アンチェロッティ監督の今季限りでの退任は既成事実となっていたが、今回改めて、レアル・マドリードより同監督の退任が伝えられた。
アンチェロッティ監督は1959年6月10日生まれの現在65歳。現役時代はパルマ、ローマ、ミランと母国イタリアで活躍し、イタリア代表としてもFIFAワールドカップに2大会連続で出場した。
1991−92シーズンをもって、33歳で現役を引退すると、その後は指導者に転身。イタリア代表のアシスタントコーチとしてキャリアをスタートさせ、監督としてはレッジャーナ、パルマ、ユヴェントスとイタリア各地を渡り歩く。2001−02シーズン途中にミランの指揮官に就任すると、8年間にわたる長期政権を築き、2003−04シーズンのセリエAや2002−03、2006−07シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)など、計7つものタイトルを掲げた。
ミランから退任したあとはチェルシー、パリ・サンジェルマンで指揮を執り、双方のクラブを国内リーグ制覇へ導く。2013年夏にはレアル・マドリードの監督に就任。初年度にはラ・リーガのタイトルこそ逃したものの、クラブに12シーズンぶりとなるCLのタイトルをもたらし、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)との2冠を達成。だが、翌年は無冠で終わり、レアル・マドリードでの“第一次政権”はわずか2年で幕を閉じていた。
その後はバイエルン、ナポリ、エヴァートンを率いており、2021年夏にレアル・マドリードへ電撃復帰。“第一次政権”の時から在籍した選手たちに加え、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール、同FWロドリゴ、ウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデら若手の台頭も促し、欧州屈指のチームを作り上げた。初年度はラ・リーガとCLの2冠を成し遂げ、監督として史上初となる欧州5大リーグ制覇を実現。2022−23シーズンに獲得した主要タイトルはコパ・デル・レイのみだったが、昨季は再びラ・リーガとCLの2冠をやってのけた。
迎えた今シーズンは、開幕から順調に勝ち点を積み重ねてきたものの、ラ・リーガでは宿敵のバルセロナにタイトルを譲り、CLでも準々決勝でアーセナルに2戦合計1−5で敗れ、ベスト8敗退。コパ・デル・レイでは決勝まで駒を進めたものの、延長戦までもつれ込んだバルセロナとの激闘を2−3で落としていた。
今季の主要タイトル無冠が決まったことを受けて、レアル・マドリードは23日付けでアンチェロッティ監督の退任を正式発表。“第二次政権”では計「11」ものタイトルをクラブにもたらしており、“第一次政権”も含めると計「15」のトロフィーを掲げた。
現時点で後任については公式発表がないものの、2024−25シーズンまでレヴァークーゼンを率いたシャビ・アロンソ監督が濃厚と報じられている。現在43歳の青年指揮官は現役時代にレアル・マドリードで活躍したこともあり、指導者転身後に初めて指揮したクラブも、レアル・マドリードのカンテラ(育成組織)だった。トップチームの監督初挑戦となったレヴァークーゼンでは、2023−24シーズンにブンデスリーガ史上初の無敗優勝を成し遂げ、DFBポカールとの国内2冠の偉業を成し遂げた。