ステージ後方の巨大スクリーンに朝日が昇る映像が流れ、艦内にいる小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登の姿が映し出される。やがてエレベーターから舞台に降り立ち、現実の3人が登場するまでの導入は、仮想と現実が融合する壮大な演出で観客を引き込んだ。オープニングナンバーは新曲「We Can’t Stop That Way」。続いて、木根のギターが響く「金曜日のライオン」、セカンドアルバムから「永遠のパスポート」が披露され、初期から最新までをひとつなぎにするような構成で展開されていく。
2002年の「Castle In The Clouds」では、混沌とした現代社会に寄り添うメッセージが響く。“予言者”と称されるTM NETWORKの楽曲は時を経て、その本質がより明瞭になる。続くアルバム『QUIT30』(2014年)のパートでは、紛争や災害といった現実がビジュアルとリンクし、「Alive」では分断を越える想いが力強く放たれた。プログレッシブな組曲「The Beginning Of The End」三部作では、投影された歌詞とともに壮大な世界観が構築され、小室のシンセが情感を深く掘り下げた。
中盤には3人の地元・三多摩地区での映像を背景に「Show My Music Beat」を披露。互いに寄り添い演奏する姿がオーディエンスの胸を打つ。「Good Morning Mr.Roadie」ではスタッフの名前が次々と浮かび上がり、温かな感謝の気持ちが届けられた。クールなイメージが強いTM NETWORKだが、根底にある人間的なぬくもりが、観客を優しく包み込む。
終盤に向け、「LOUD」「Dive Into Your Body」といった代表曲が、今のサウンドにアップデートされた形で演奏された。アカペラから始まる「Screen Of Life」では、歌詞を通して現代社会へのステイトメントを強調。「EVOLUTION」では教会音楽のような神聖な旋律が響きわたり、祈りにも似た希望のメッセージが昇華された。
■TM NETWORK 2025『YONMARU+01』セットリスト M01. +01 M02. We Can’t Stop That Way M03. 金曜日のライオン M04. 永遠のパスポート M05. Castle In The Clouds M06. Alive M07. Birth M08. The Beginning Of The End M09. The Beginning Of The End II M10. The Beginning Of The End III M11. Show My Music Beat M12. Good Morning Mr.Roadie M13. LOUD M14. Dive Into Your Body M15. Screen Of Life M16. TK Solo M17. EVOLUTION M18. Resistance M19. Get Wild Continual M20. Prologue M21. Self Control M22. Carry on the Memories M23. Last Encount