石川瑠華、“言葉にならない想い” と向き合う高校生を熱演 映画『水の中で深呼吸』公開決定

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2025年05月23日 20:10  クランクイン!

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映画『水の中で深呼吸』ポスタービジュアル
 石川瑠華が主演する映画『水の中で深呼吸』が、7月25日より全国順次公開されることが決定。あわせて、ポスタービジュアルとコメントが解禁された。

【写真】石川瑠華が熱演 『水の中で深呼吸』フォトギャラリー

 本作は、『スイート』で第30回キネコ国際映画祭の国際審査員特別賞、PTA賞のほか、モントリオール日本映画祭の短編映画最優秀賞を受賞した安井祥二監督の最新作。自分は、女なのか、男なのか。この気持ちは、恋なのか、友情なのか。揺れ動く10代の心を描く。

 水泳部に所属する、高校1年生の葵(石川)。理不尽な上級生からの嫌がらせに耐えながら、黙々と練習に打ち込む日々を送っている。そんな葵には、誰にも言えない、もうひとつの悩みがあった。同級生の水泳部員・日菜(中島瑠菜)に惹かれる気持ちを持て余していたのだ。“普通”とは何か、“自分らしさ”とは何か。泳ぎ続けたその先で、葵が見つけた答えとは──。


 主人公・葵を演じたのは、『猿楽町で会いましょう』で第31回日本映画批評家大賞・新人女優賞受賞を果たし、『うみべの女の子』など数々の作品で主演を務める実力派俳優・石川瑠華。戸惑いながらも自身の輪郭を探し求める葵の心の機微を、ボーダーレスな佇まいと繊細な演技で表現した。

 さらに、大河ドラマ『べらぼう』やNetflix『新幹線大爆破』出演の中島瑠菜を筆頭としたフレッシュな若手キャストが脇を固める。

 映画『水の中で深呼吸』は、7月25日より全国順次公開。

※石川瑠華、安井祥二監督のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■石川瑠華

 わたし自身、学生時代に映画の中で描かれているような悩みを抱えていました。そのことを誰にも相談できなかった記憶があります。当時の自分をしっかり肯定できるようになった今、この映画を今悩んでいる誰かに届けたいと思い、オーディションに参加しました。



 役をいただいた時、オーディションを受けた時よりも“わからない”と感じました。現場でも、葵という人物について安井監督と日々話し合いました。安井監督はこういう人だと決めつけることはせず、時には少し距離をとって見守ろうとしてくださりました。娘思いだけど不器用なお父さんのようでした。そんな安井監督の映画だったからこそ、わたしは葵に真っ正面からぶつかるようにして役作りをしていったような気がします。



 泳ぎの撮影と同じくらい、水中に身を置いている状態の撮影があり、回数を重ねるごとに息はできないはずなのに、「息をしやすい場所だ」と感じることがありました。その感覚は、葵を演じる上でとても大切なものだったと思います。悩みの渦の中にいて、息がしにくいと感じている誰かに、この映画がそっと届いてくれたらいいなと思います。


■安井祥二監督

 LGBTQ+に限らず、悩みを抱えながら生きている全ての人を、肯定できるような作品にしたい──そんな想いを込めて撮影した作品です。同性を好きになるなど、いわゆるマジョリティではない人たちの感情を描いた作品が「LGBTQ+の映画」というラベルで特別視されることに、私はずっと違和感を抱いていました。誰かにとってはごく自然で当たり前の感情が、いまだに「普通ではないもの」として扱われてしまうこと自体が、今の社会の空気を映しているようにも思えます。


 この映画は、「LGBTQ+の映画」という枠組みの中で語られるものではなく、あくまでひとりの高校生が自分自身を模索していく物語です。主人公・葵の抱える揺らぎは、誰もが日々抱えている葛藤や迷いと、何も変わらないと私は思っています。“普通”とは何か、“自分らしさ”とは何か。ふと立ち止まって、そんな問いと向き合ってもらえるような、小さなきっかけになれば嬉しいです。
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